【デーリー東北／時評】韓国を取り巻く国際情勢厳しい。日韓合意、大統領選の結果で揺らぐ可能性も。駐韓大使、帰任する時[03/14]

ダーさん＠がんばらない ★＠＼(^o^)／

韓国大統領罷免　混乱克服し国政安定化を

韓国初の女性大統領が同国の憲政史上初めて弾劾訴追されて罷免となり、大統領の座を追われた。韓国の憲法裁判所は、弾劾訴追された朴槿恵（パク・クネ）大統領を罷免する決定を下した。裁判官８人の全員一致だった。

強大な権力を握る韓国の大統領はこれまで、軍事クーデターや凶弾、学生デモにより倒されてきた例があるが、民主的な法手続きによる失脚は初めてで、民主化３０年の進展を示したと言えよう。憲法裁は、朴氏が大統領権限を乱用して親友の崔順実（チェ・スンシル）被告の私的な利益追求に手を貸したと認定し、「国民の信任を裏切った。憲法を守る観点から容認できない重大な違法行為だ」と断罪した。

さらに国政介入の事実の徹底的な隠蔽（いんぺい）を図り、捜査にも協力しなかったと批判、「憲法を守る意思がなかった」とした。朴氏が私的な立場の崔被告から大きな影響を受けていたことは、韓国社会に衝撃を与えた。

朴氏は就任当初「国民統合」を掲げていたが、政治的妥協を嫌うようになり、保守的な政策で野党勢力との摩擦を繰り返し、国民への説明責任を果たそうとせず、強権的に政策を推し進めた。

朴氏を罷免にまで実質的に追い込んだのは、大規模な集会に表れた民意だった。国民の間には、貧富の格差の拡大、高い失業率、厳しい受験戦争などで不公平感が高まっていた。こうした不満が朴氏の退陣を求める大規模集会につながっていった。大規模デモによる民意に押され、国会は朴氏の弾劾訴追案を可決した。野党だけでなく、与党の一部議員も可決に賛成し、与党は分裂した。

憲法裁が全員一致で罷免を決定したのも、約８０％が弾劾に賛成する世論に考慮した側面もあっただろう。罷免から６０日以内に実施される大統領選では、保守と革新の間で深まった韓国社会の対立をどう修復するのかが問われることになる。政治的空白を埋め、混乱を克服して社会の亀裂を修復し、政治的な安定を図ってほしい。

韓国を取り巻く国際情勢も厳しい。北朝鮮は核・ミサイル開発を加速化させている。米国のトランプ政権は保護貿易主義を掲げている。在韓米軍への「高高度防衛ミサイル（ＴＨＡＡＤ）」配備や慰安婦問題解決に関する日韓合意は、大統領選の結果によっては揺らぐ可能性もある。日本政府は、慰安婦問題を象徴する少女像を巡り、長嶺安政駐韓大使らを一時帰国させているが、帰任を検討する時期に来ているだろう。

ソース：デーリー東北　3月14日
http://www.daily-tohoku.co.jp/jihyo/jihyo.html?%E9%9F%93%E5%9B%BD%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98%E7%BD%B7%E5%85%8D/%E6%B7%B7%E4%B9%B1%E5%85%8B%E6%9C%8D%E3%81%97%E5%9B%BD%E6%94%BF%E5%AE%89%E5%AE%9A%E5%8C%96%E3%82%92%EF%BC%883%E6%9C%8814%E6%97%A5%EF%BC%89