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カントさえ読まない馬鹿が哲板にいるらしい 3

13 :考える名無しさん:2024/01/18(木) 02:06:46.76 ID:0.net
ここで現代的な観点として興味深いのは、では、AIなどの知的エージェントは、
そうした理性的存在者となりうるのか、という問題系である。カントの分類によると、
そのエージェントやエンティティが自律的・理性的に、因果の系列を超越しながら、
判断、行為出来るものであれば、それは理性的な存在者であるとみなされるので、
要するにAIがそのように理性的な自由を行使しながら振る舞えるか否かを
その判定基準にすればよい、ということになる。

つまり、カントにおける理性的な存在者とは自然の因果の法を超えられる自由で
自律的な存在者のことを指している。たとえば、フランクルの著書(「夜と霧」)には、
アウシュビッツの強制収容所にいた囚人たちの間には、とてつもなく過酷な条件に
置かれながらも、優れた人間性を最期まで失わなかった少数の人々の存在者が
描かれているが、そうした人々こそが、カントが指す理性的存在者なのである。
なぜなら、彼らは、環境の過酷さや劣悪さに屈しない理性の自由と自律性、
すなわち人間的な尊厳を最期まで保持できたからである。これが理性の真の
facultyであると言えよう。このfacultyを欠いた者が、動物的な存在者、すなわち、
非理性的な者、すなわち、非人間としてカントによって分類されていくのである。

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