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農業文化や農本主義は善なのか?

962 :世界@名無史さん:2024/07/01(月) 17:40:18.47 ID:0.net
狩猟採集民の人口密度は、タスマニア島(オーストラリア)では100平方キロメートルあたり3.8人、ネバダ平原(アメリカ)では1人ときわめて低い。そのため、人口のとくに多い地域や、季節によって食べ物がなくなるような地方では、食糧確保のためになんらかの努力をしなければならなかったと考えられる。

 狩猟採集民もむやみに食料をあさっているわけではなく、継続的に食料を確保するためにさまざまな工夫をしている。たとえば、雑草を取り除いたり、森林を焼いたりして植物が育ちやすくする。種をまいたり、水をやったり、植え替えたりすることもある。

 もっと土地を効率的に利用し、食料をたくさん得ようとすれば、土地をまっさらにして耕し、栽培種を選んで育てるというかたちで、自然環境を人工的な環境におきかえる本格的な農耕に発展していくだろう。

 つまり、狩猟・採集と農耕のあいだにはっきりした境界線があるわけではない。増えていく人口に対応して少しずつ環境への介入を強め、長い年月(おそらく数千年単位の)をへて農耕に移行したのだろう。

 農耕は、「効率的な土地利用」という点でひじょうにすぐれている。ハードな労働が必要な分、狭い土地で多くの食料が確保でき、多くの人々を養うことができる。農耕が行われている地域の人口密度は、狩猟・採集の行われる地域の20~100倍に達するといわれる。こうなると、もはや狩猟・採集には戻れない。こうして農耕は定着し、広がっていくことになる。

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