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【板対抗バトロワ】おーぷん世界史軍【人類進化】
- 1 :ラスト歴オタ :2024/03/16(土) 22:09:46.14 0.net
- ■板対抗バトロワとは?
5chなどの板同士で戦争しあい、最強の板を決めるゲーム
【会場】https://br2ch.pgw.jp/br2ch/brlist.cgi
【wiki】https://seesaawiki.jp/new2ch-battleroyale/
■ゲームの目的
診療所(E8西)を占領したりNPCを倒して得られるポイントを貯めてポイントレースに勝つこと
■参加手順
1.会場のURLを開き、エントリ可になっているキャラをクリック
2.所属チームから(残念ながら今は降格しているので)「板統合軍」を選択し、参加キャラクターから好きなキャラを選ぶ
3.参加するとG5エリアに出現するので、北へ移動してG5エリアから抜けること。
【青いマスか5分後以降にG5エリアに入ると自殺となり、45分間参加できなくなるので注意!】
4.他軍のプレイヤーと戦う。負けても3分で再参加できる!
- 2 :ラスト歴オタ :2024/03/16(土) 22:10:40.03 0.net
- ■アイテム説明
【首輪】捨てると自殺、自殺すると45分間再登録できない
【デイパック】使うとアイテムが出る
【注射器】診療所(E8西)で拾え、体力が軽傷以下で使うと体力を0〜9回復
【おにぎり】食料庫(E5北、D9東、H3南)で拾え、使うと体力を1回復
【武器】相手を選び攻撃するとダメージを与える
【防具】所持しているとダメージが減る
■禁止行為
暴言、過剰な下ネタなどの他、以下の禁止行為があります
【スパイ】他軍に参加し、他軍の作戦の内容をばらすこと
【多重】PCとスマホなどで、2体以上のキャラで参加すること
■注意事項
以下の行為をしてもアク禁にはなりませんが、他軍からものすごく嫌われるので極力避けてほしいことです。
【便乗】他軍同士の戦争の邪魔をすること
【食料庫攻め】診療所を占領している軍が食料庫で旗持ちでない、かつ首輪を外していないプレイヤーに先制攻撃すること
- 3 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 22:25:43.76 0.net
- 「世界史」とは一体なんなのか?
- 4 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 22:30:25.76 0.net
- 世界史とは
「世界全体を統一的に連関させて書かれた人類の歴史。また、それを記述したもの。」
精選版 日本国語大辞典より
- 5 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 22:37:03.44 0.net
- つまり、「世界史」には、人類の進化も含まれるのではないのだろうか?
- 6 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 22:37:57.95 0.net
- 今から、人類の進化の過程についてお話しよう。
- 7 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 22:39:26.74 0.net
- なお、これは私の解説欲を満たすオナニーであるため、停止要求は無視する。
- 8 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 22:40:32.70 0.net
- あと、「考古学板でやってろ」と思ったそこのお前、あとで職員室に来なさい。
- 9 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 22:44:55.57 0.net
- そもそも「最古の人類」の定義とはどのようなものなのだろうか?
- 10 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 22:46:14.59 0.net
- 私達人類の祖先はサルであった。このことは皆知っているだろう。
- 11 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 22:47:29.35 0.net
- だが、その人類の祖先は同時にチンパンジーの祖先でもあるし、ゴリラの祖先でもあるのだ。
- 12 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 22:50:25.59 0.net
- しかし、今から約660万年前に、チンパンジーと人類の共通祖先の種が、ゴリラとわかれた。
- 13 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 22:52:55.13 0.net
- >>12の出来事から予想するに、次に人類とチンパンジーの共通祖先の種から、人類とチンパンジーの祖先の種が枝分かれするだろう。
- 14 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 22:54:49.16 0.net
- そして、人類の祖先となる種と、チンパンジーの祖先となる種が分かれた時、人類の祖先となる種の方、コイツが最古の人類といえるだろう。
- 15 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 22:56:50.66 0.net
- では、その最古の人類はなんという種なのか?
- 16 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 22:57:41.15 0.net
- ズバリ、「わからない!」
- 17 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 23:00:51.40 0.net
- 「ふざけんな!こんな長くためやがってわからないだと!ドキドキを返せ!」と思った方もいるかもしれませんが、どうか落ち着いてほしい。
現在の状況は、最古の人類について、いろいろ諸説があってどれが真の最古の人類なのか断定できない状況なのです。
- 18 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 23:02:00.00 0.net
- でも、「多分コイツが最古の人類かな?」とはわかっているので安心してください。
- 19 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 23:03:23.56 0.net
- では、最古の人類について、諸説も交えながら解説していきます。
- 20 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 23:10:50.43 0.net
- まず、数ある最古の人類仮説の中で最も古い種は、「グレコピテクス」です。
- 21 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 23:14:33.86 0.net
- グレコピテクスは、今から720万年前に生息していたとされます。
もしグレコピテクスが最古の人類だとしたら、人類はヨーロッパで誕生したことになります。
- 22 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 23:17:22.90 0.net
- しかし、グレコピテクスの化石は顎と歯しか見つかっておらず、グレコピテクスを最古の人類とするには証拠が不十分であるため、この説はあまり指示されていません。
- 23 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 23:18:55.69 0.net
- でも、「人類はアフリカで誕生した」という今までの常識を覆す可能性を秘めた非常に面白い仮説であることには違いありません。
今後の研究に期待しましょう。
- 24 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 23:24:26.66 0.net
- さて、次の仮説にいきましょう。次の最古の人類仮説は、現在一番有力視されている説です。
- 25 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 23:28:19.92 0.net
- 一番有力視されている最古の人類種は、「サヘラントロプス・チャデンシス」です。
- 26 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 23:32:45.89 0.net
- サヘラントロプス・チャデンシスは、今から約690万年前に生息していました。
日本では「トゥーマイ猿人」とも呼ばれていたりします。
- 27 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 23:35:32.94 0.net
- サヘラントロプス・チャデンシスは、アフリカ大陸北中部、今で言うチャド共和国北部に生息していました。
学名は「チャドに由来するサヘルの人」という意味があるそうです。
- 28 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 23:37:26.21 0.net
- 最初に発見された化石標本は「トゥーマイ」という名前がつけられました。
名前の意味は、「生命の希望」だそうです。まさに人類の祖先にふさわしい名前と言えるでしょう。
日本でよく呼ばれる「トゥーマイ猿人」はこの化石標本の名前から来ています。
- 29 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 23:46:17.49 0.net
- サヘラントロプス・チャデンシスは、時代的には、ヒトの祖先がチンパンジーの祖先と分岐したころ、あるいはその直前に当たります。
もしサヘラントロプス・チャデンシスが、この分岐の後に誕生したのだったら、サヘラントロプス・チャデンシスが最古の人類といえるでしょう。
しかし、もし分岐の直前に誕生したとしたら、サヘラントロプス・チャデンシスは最古の人類とは言えないのです。
- 30 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 23:48:12.85 0.net
- なので、サヘラントロプス・チャデンシスは最古の人類ではないという学説もあります。
でも大抵の場合、サヘラントロプス・チャデンシスを最古の人類とみなすことが多いです。
- 31 :世界@名無史さん:2024/03/16(土) 23:54:55.09 0.net
- サヘラントロプス・チャデンシスを最古の人類たらしめる理由は生息年代の他にもう一つあります。
それは、頭蓋骨の形状を見る限り、足と脊椎を垂直にたてて二足歩行する、いわゆる「直立二足歩行」をしていたと考えられるのです。
直立二足歩行は人類のみが有する特別な形質です。
その直立二足歩行を行っていた可能性が高いサヘラントロプス・チャデンシスはつまり、人類である可能性が高いのです。
- 32 :世界@名無史さん:2024/03/17(日) 00:03:00.36 0.net
- しかし、サヘラントロプス・チャデンシスの脚や足跡の化石は見つかっていません。
なので、サヘラントロプス・チャデンシスが直立二足歩行をしていたというのはあくまで仮説にとどまります。
直立二足歩行をしていたという確実な証拠が無い限り、サヘラントロプス・チャデンシスは人類とチンパンジーの共通祖先、つまり、最古の人類ではないという可能性もあるのです。
- 33 :世界@名無史さん:2024/03/17(日) 00:15:52.49 0.net
- では、次はサヘラントロプス・チャデンシスが暮らしていた環境や生態を見ていきましょう。
- 34 :世界@名無史さん:2024/03/17(日) 00:23:02.84 0.net
- サヘラントロプス・チャデンシスは、チャド湖の湖畔で暮らしていたと考えられます。
現在のチャド湖はかなり縮小してしまいましたが、当時のチャド湖はかなり大きく、サヘラントロプス・チャデンシスの生息域は水が豊富な森林だったと考えられます。
- 35 :世界@名無史さん:2024/03/17(日) 00:27:01.24 0.net
- サヘラントロプス・チャデンシスは湿潤地の森林で、今の人間のように地面に降りず、サルのように木の上で、果物や虫などを食べて暮らしていたと考えられています。
もし直立二足歩行ができたとしても、まだまだ下手で、地面の上を歩くのはとても遅く、危険が多いかったため、もっぱら木の上で過ごしていたことでしょう。
- 36 :世界@名無史さん:2024/03/17(日) 00:28:12.43 0.net
- サヘラントロプス・チャデンシスの化石標本であるトゥーマイのスペックもみていきましょう。
- 37 :世界@名無史さん:2024/03/17(日) 00:32:07.71 0.net
- トゥーマイの性別は男性で、身長は約120〜130cm、推定体重は 35kg前後、脳容量はチンパンジーとほぼ同じです。
猿人や原人に見られる、目の上の骨の出っ張りが大きく、犬歯はチンパンジーと比べると小さめです。
- 38 :世界@名無史さん:2024/03/17(日) 00:34:56.00 0.net
- ここからわかるサヘラントロプス・チャデンシスは、ズバリ下手な直立二足歩行をする犬歯が小さめのチンパンジーといったところでしょうか。
- 39 :世界@名無史さん:2024/03/17(日) 00:35:49.19 0.net
- では今日はこのぐらいで。
- 40 :世界@名無史さん:2024/03/17(日) 00:36:59.12 0.net
- スレが残っていたらまた明日続きを投稿します。
別に楽しみに待たなくても、見なくてもいいです。
あくまでこれは解説欲を満たすためのオナニーなのですから。
- 41 :世界@名無史さん:2024/03/17(日) 05:21:56.95 ID:0.net
- なんやこのスレ
- 42 :世界@名無史さん:2024/03/17(日) 22:51:39.01 ID:0.net
- さあ誰も待ち望んでいない続きを話していきましょう。
今回は閑話です。
- 43 :世界@名無史さん:2024/03/17(日) 23:50:41.56 0.net
- まず生物の分類方法から
- 44 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 00:30:52.70 0.net
- 私達はよく「クモ目」とか「イネ科」とか言いますけど、この目とか科はなんのことを指しているのでしょうか?
- 45 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 00:32:22.02 0.net
- まず、生物には様々な種があります。
しかし、いくつかの生物は同じような特徴を持っており、特徴別に生物をいくらかのグループに分類することができます。
- 46 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 00:34:03.92 0.net
- また、分類されたグループを、さらに細かく分類することができます。
- 47 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 00:35:57.31 0.net
- そして、特定のグループが今までに何回分類されてきたのかを示す値のようなものが「科」や「目」、「属」などの階級なのです。
- 48 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 00:40:51.40 0.net
- 階級は大きい順に
生物→ドメイン→界(かい)→門(もん)→綱(こう)→目(もく)→科(か)→属(ぞく)→種(しゅ)
とあります。
- 49 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 00:43:27.33 0.net
- 例えばヒトを分類してみると、
生物、真核生物ドメイン、動物界、脊索動物門、哺乳網、サル目、ヒト科、ホモ属、ホモ・サピエンス(ヒト)
と分類できます。
- 50 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 00:46:24.28 0.net
- また、科と属の間に「亜科」、属と種の間に「亜属」が入ったりします。
生物分類は人間が勝手に決めたルールなので、結構例外や新しい階級が出てきたりします。
- 51 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 00:48:58.96 0.net
- 例えばホモ・サピエンスでは、
ヒト亜属やヒト亜科が存在し、亜属と亜科の間に「ヒト族」という特殊な階級があったりします。
- 52 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 00:52:22.85 0.net
- 次は、昨日紹介したサヘラントロプス・チャデンシスを分類してみましょう。
なお、ごちゃごちゃして混乱するので、亜属や族などの特殊な階級は省略します。
生物、真核生物ドメイン、動物界、脊索動物門、哺乳網、サル目、ヒト科、サヘラントロプス属、サヘラントロプス・チャデンシス
と分類できます。
- 53 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 00:54:28.58 0.net
- この分類からわかるように、サヘラントロプス・チャデンシスは私達ホモ・サピエンスとは属が異なるのです。
ここから、サヘラントロプス・チャデンシスは人類に含まれるが、私達ホモ・サピエンスとはまだまだ遠い種であることがわかります。
- 54 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 00:55:49.23 0.net
- では次にいきましょう。
- 55 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 00:57:04.40 0.net
- さきほど生物の分類方法を説明しました。
ここから、生物の最小分類階級は「種」であることがわかります。
では、この「種」の違いはなんなのでしょうか?
- 56 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 00:59:24.46 0.net
- ズバリ、「種」の違いは
1、別種同士が交尾しても子どもはできない。
2、ある種が発病する感染症は、別種には罹らない。
- 57 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 01:00:12.89 0.net
- という違いがあります。
まず2の「ある種が発病する感染症は、別種には罹らない。」から説明していきましょう。
- 58 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 01:01:49.64 0.net
- 私達ホモ・サピエンスが感染する新型コロナウイルスは、イヌには感染しません。
反対に、イヌに感染するCDVは、私達ホモ・サピエンスには感染しません。
それはなぜか。
- 59 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 01:04:48.38 0.net
- 理由は、イヌとホモ・サピエンスは別種だからです。
各細胞には、脳からの司令を伝達する物質と結合する突起があるのです。
そして、感染症の表面にも突起が存在します。
その細胞と感染症の突起同士が結合することで、その感染症が発病します。
- 60 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 01:08:06.98 0.net
- しかし、その細胞についている突起は、種が違うと突起の形も変わります。
細胞と病原菌の突起が噛み合わないと、病気は発病しません。
なので、別種には感染症が発病しないのです。
なお、ウイルスは突然変異によって、別種に対応した突起になることがあります。
なので、鳥インフルエンザは突然変異してホモ・サピエンスが発病すおそれがあるので、鳥インフルエンザ対策は厳しいのです。
- 61 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 01:09:35.31 0.net
- 1の「別種同士が交尾しても子どもはできない。」も、2と同じような理由です。
別種の精子と卵子は噛み合わず、受精できないからです。
- 62 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 01:15:34.15 0.net
- しかし、トラとライオンの混合種である「タイゴン」というものもあります。
なぜこどもができるのかというと、トラとライオンは種は同じで「亜種」が違うので、子どもができるのです。
ウマとロバの混合種ラバも同じ理屈です。亜種が違うだけで種は同じなのです。
また、ハスキーとシェパードの混合種が存在するのは、ハスキーとシェパードは「品種」が違うだけで、種が同じだからです。
- 63 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 01:19:17.50 0.net
- なので、属から違うホモ・サピエンスとサヘラントロプス・チャデンシスは、同じ人類なのに種が違うので、もし交尾しても子どもはできません。
しかし、後ほど紹介するホモ・ネアンデルターレンシスとホモ・サピエンスは亜種が違うだけで種は同じなので、交尾したら子どもが生まれます。
なので、現生人類の遺伝子には、3〜5%ほどホモ・ネアンデルターレンシス由来のものがあるらしいです。
- 64 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 01:20:58.09 0.net
- 最後に、猿人、原人、旧人、新人の違いについて説明します。
- 65 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 01:24:14.13 0.net
- 中学の歴史の教科書の一番最初に載っているであろう「猿人、原人、旧人、新人」ですが、これらは何なんでしょうか?
これらは、人類種の大まかな分類です。
と、いってもこれらは日本独自の分類方法なので、結構曖昧だったりします。
- 66 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 01:31:31.88 0.net
- まず猿人から説明していきましょう。
猿人は、その名の通りサルに近い人類です。基本木の上で暮らしていたようです。
直立二足歩行はできますが、脳容量はチンパンジーとほぼ同じです。石器は基本使いませんが、後期の猿人は打製石器を使っていたようです。
代表種は、アウストラロピテクス・アフリカヌスなどです。サヘラントロプス・チャデンシスも猿人に含まれます。
猿人は私達ホモ・サピエンスも含まれるホモ属には含まれません。別の属に含まれます。
ここから猿人とホモ・サピエンスは同じ人類だが、まだまだ遠いことがわかります。
- 67 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 01:41:01.58 0.net
- 次に原人です。
原人は猿人と違って私達と同じホモ属に含まれます。また、ホモ属の人類のほとんどが原人に含まれます。
猿人は木の上で暮らしていましたが、原人は草原などの地表を歩いて暮らすようになりました。
猿人とは違って完全に体毛は薄くなり、そのため長時間走ることができるようになり、獲物を見つけたらずっと獲物を追いかけ続けて、獲物がつかれたところを狩るという持久戦の狩りをしていたようです。
また、原人のころから「火」が発明され、カロリーが高い肉を焼いて消化がたやすくなったため、脳の巨大化に繋がります。
そのためどんどん脳が大きい原人の種がでてくるようになります。
代表種は、ホモ・ハビリスやホモ・エレクトゥスなどです。
- 68 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 01:51:09.16 0.net
- 次は旧人です。
旧人の頃は氷河期に差し掛かっており、毛皮を加工した原始的な服を着用していたようです。
初めてアフリカの外に出て、ヨーロッパや小アジアに住み着くようになったのも旧人の頃です。
また、旧人は骨や角を加工した装飾品を身につけたり、死者のために墓を作って弔ったりと、社会制が構成されていたと推測されます。
旧人の脳の容量は私達新人よりも大きく、全人類の中で一番大きな脳を持っています。
また、体はホモ・サピエンスより大きく頑丈で、狩りの方法も仲間と協力して獲物に突っ込むという荒々しいものであり、そのため旧人の化石からは骨折跡がよくあります。
そして、旧人はどうやら私達新人と共存し、交尾もしていたらしく、現生人類の遺伝子の5%ほどは旧人由来です。
代表種はホモ・ネアンデルターレンシスなどです。
- 69 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 01:58:01.31 0.net
- 最後に新人です。
新人は私達ホモ・サピエンスのことで、新人に含まれる人類種もホモ・サピエンスだけです。
新人の頃に人類は南極以外のすべての大陸に住み着くようになります。また、ヨーロッパの新人は旧人とも共存していたようです。
新人の脳容量は旧人よりも小さいですが、これは脳がコンパクトかつ高性能になるように進化したためです。
また、今までの人類の住居は洞窟でしたが、新人の頃から次第に原始的な家を作るようになっていきます。
また、新人の頃から氷河期は終焉をむかえ、農業をするようになります。
農業をするようになると、その地に定住するようになり、そのうちに文明が誕生し、高度な社会制度が誕生していくのです。
- 70 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 02:01:30.68 0.net
- 最後に一つ注意してほしいことがあります。
それは、人類は猿人→原人→旧人→新人と進化したわけではないということです。
猿人から原人が進化して、原人から旧人が進化し、その少し後に原人から新人が進化したのです。
なので、語弊がある猿人、原人、旧人、新人は少しずつ使われなくなっていくと予想されています。
- 71 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 02:03:44.97 0.net
- また、猿人、原人、旧人、新人のどの人類も、単体ではなく小規模な集団をつくって暮らしていたようです。
そのため、狩りをよりしやすくするために、後期の原人から「言語」を使うようになったと考えられています。
- 72 :世界@名無史さん:2024/03/18(月) 02:05:15.98 0.net
- では今日はこれで終わります。
明日は閑話休題として、昨日の猿人の話の続きをしていきましょう。
- 73 :世界@名無史さん:2024/03/19(火) 00:04:37.81 0.net
- 今から約600万年前、人類は、サヘラントロプス・チャデンシスから、オロリン・トゥゲネンシスに進化しました。
- 74 :世界@名無史さん:2024/03/19(火) 00:09:02.42 0.net
- 属も、サヘラントロプス・チャデンシスが含まれるサヘラントロプス属からオロリン・トゥゲネンシスが含まれるオロリン属に進化しました。
オロリン属は、オロリン・トゥゲネンシス一種だけが属します。
同じように、サヘラントロプス属も、サヘラントロプス・チャデンシス一種だけが属します。
- 75 :世界@名無史さん:2024/03/19(火) 00:13:17.58 0.net
- オロリン・トゥゲネンシスの名前は、化石発見場所であるケニアのトゥゲンヒルズに由来します。
- 76 :世界@名無史さん:2024/03/19(火) 00:16:38.67 0.net
- オロリン・トゥゲネンシスは、化石発見場所から、現在のケニアに当たる地の森林で暮らしていたと考えられています。
- 77 :世界@名無史さん:2024/03/19(火) 00:19:43.78 0.net
- 臼歯が大きく犬歯が小さいという化石の歯の形状から考えるに、オロリン・トゥゲネンシスは主に果物や野菜を食べ、時々昆虫などの肉も食べていたと思われます。
- 78 :世界@名無史さん:2024/03/19(火) 00:24:48.06 0.net
- また、化石の骨の形状から考えるに、オロリン・トゥゲネンシスは木登りは得意だが、現代のサルがよく行う、親指以外の指で枝を掴んで移動する腕渡りはできないということ、
直立二足歩行をすることが可能だったと思われます。
- 79 :世界@名無史さん:2024/03/19(火) 00:26:30.81 0.net
- つまり、オロリン・トゥゲネンシスは木の上で暮らしており、枝の上を直立二足歩行して移動し、木の果実や地面に生えている草や野菜、虫などを食べていたと推測されます。
- 80 :世界@名無史さん:2024/03/19(火) 00:29:10.47 0.net
- また、サヘラントロプス・チャデンシスのように、頭蓋骨の形状から直立二足歩行をしていたと予想されたのではなく、
オロリン・トゥゲネンシスは、大腿骨の化石が見つかっているので、ほぼ確実に直立二足歩行をしていたと考えられています。
そのため、オロリン・トゥゲネンシスこそが最古の人類だとする学説も存在します。
- 81 :世界@名無史さん:2024/03/19(火) 00:32:19.30 0.net
- なお、オロリン・トゥゲネンシスの身長はチンパンジーとほぼ同じで、脳容量もチンパンジー並だと考えられています。
- 82 :世界@名無史さん:2024/03/19(火) 00:35:03.41 0.net
- もし仮にオロリン・トゥゲネンシスが私達ホモ・サピエンスの直接の先祖であれば、後に紹介する、中期の猿人であるアウストラロピテクス属は人類の樹形図の傍流ということになります。
- 83 :世界@名無史さん:2024/03/19(火) 00:38:00.43 0.net
- なぜなら、オロリン・トゥゲネンシスはアウストラロピテクス属よりも150万年も古い人類だが、より私達ホモ・サピエンスに近い形状をしているためである。
- 84 :世界@名無史さん:2024/03/19(火) 00:43:26.11 0.net
- オロリン・トゥゲネンシスは、今まで現生人類ホモ・サピエンス直接の先祖だと考えられてきたアウストラロピテクス属は、実は傍流だったという可能性を秘めた猿人なのです。
- 85 :世界@名無史さん:2024/03/19(火) 00:47:17.71 0.net
- と、言う感じで今日の解説は終了です。
明日は、オロリン・トゥゲネンシスの次の猿人について解説していきます。
楽しみにしないでください!
- 86 :世界@名無史さん:2024/03/19(火) 23:24:14.35 0.net
- 今から約570万年前、オロリン・トゥゲネンシスから、アルディピテクス・カダバに進化しました。
アルディピテクス・カダバはオロリン・トゥゲネンシスとはまた違う、アルディピテクスに含まれます。
アルディピテクス属は、アルディピテクス・ガバダと、後の種であるアルディピテクス・ラミダスの二種が属します。
- 87 :世界@名無史さん:2024/03/19(火) 23:29:25.97 0.net
- アルディピテクス・カダバは、日本では「ガバダ猿人」とも呼ばれています。
アルディピテクス・カダバという名前は、「家族の最初の祖先である地面の類人猿」という意味があります。
- 88 :世界@名無史さん:2024/03/19(火) 23:29:51.42 0.net
- アルディピテクス・カダバは、日本では「ガバダ猿人」とも呼ばれています。
アルディピテクス・カダバという名前は、「一族の最初の祖先である地面の類人猿」という意味があります。
- 89 :世界@名無史さん:2024/03/19(火) 23:39:41.52 0.net
- アルディピテクス・カダバは、今から約580万年前から約520万年前の、現在のエチオピアで暮らしていたと考えられています。
- 90 :世界@名無史さん:2024/03/19(火) 23:43:06.74 0.net
- アルディピテクス・カダバは、1997年、エチオピアのアファール低地、アワッシュ川中流域で、当時大学院生だったヨハネス・ハイレ=セラシエが発見しました。
発見された化石は、下顎の骨や、足の骨などです。
- 91 :世界@名無史さん:2024/03/19(火) 23:46:46.82 0.net
- 発見当時は、この化石はアルディピテクス属に属すもう一つの種であるアルディピテクス・ラミダスの亜種だと考えられていましたが、犬歯の形が明確に違っため、新種としてアルディピテクス・カダバと名付けられました。
- 92 :世界@名無史さん:2024/03/19(火) 23:55:59.84 0.net
- アルディピテクス・カダバの犬歯は先端が尖った三角形をしていて,類人猿の犬歯とも似ています。
しかし,足の指の骨の形から直立二足歩行をしていただろうと推測されます。
そのため、アルディピテクス・カダバこそが真の最古の人類だとする学説も存在します。(n回目)
- 93 :世界@名無史さん:2024/03/20(水) 00:11:27.19 0.net
- では、すこし早いですが今日はこのあたりで終わりとします。
次回は、人類学に革命を起こした化石人類を紹介します。
- 94 :世界@名無史さん:2024/03/21(木) 01:50:03.24 0.net
- 1992年、アフリカのエチオピアにあるアファール低地にて、カリフォルニア大学のティム・ホワイトや東京大学の諏訪元は、化石人類の親知らずの化石を発見しました。
- 95 :世界@名無史さん:2024/03/21(木) 01:56:16.82 0.net
- その歯の化石は、当時知られていたどの化石人類のものとも違っていました。
この発見を機に、周辺から新種の化石人類の化石がいくらか発見されるようになります。
このとき発見された新種の化石人類こそが、人類学に革命を起こすこととなるアルディピテクス・ラミダスです。
- 96 :世界@名無史さん:2024/03/21(木) 02:02:15.02 0.net
- アルディピテクス・ラミダスは、今から約440万年前のエチオピアに生息していた、アルディピテクス・カダバから進化した人類です。
- 97 :世界@名無史さん:2024/03/21(木) 02:05:27.82 0.net
- アルディピテクス・ラミダスという名前には、「(人類進化の系統樹上の)根にあたる、地面の類人猿」という意味があります。
アルディピテクス・カダバと同じアルディピテクス属に属しています。
日本では、「ラミダス猿人」とも呼ばれます。
- 98 :世界@名無史さん:2024/03/21(木) 02:12:57.94 0.net
- そして1994年、2年前の歯の発見を踏まえての調査中、調査隊の一人であるヨハネス・ハイレ・セラシエが、潰れた箇所もあるが、かなりの部位が残った化石人骨をアワッシュ渓谷中流域のアラミスで発見しました。
この時全身骨格化石として発見された個体は、後に「アルディ」と名付けられます。
- 99 :世界@名無史さん:2024/03/21(木) 02:16:33.81 0.net
- アルディピテクス・ラミダスのようなジャングルの木の上で暮らすような類人猿や猿人は、肉食獣の餌食にならなくても、樹下に落ちて死体が腐敗した後、骨も風化してしまうので、アルディと同じ時期の類人猿の場合、全身骨格どころか、骨片の発見すらきわめてまれなことです。
しかし、アルディは死後、大型動物に踏まれ、それによってハイエナなどに食い散らかされる前に泥に埋もれることができ、かえって比較的良好な保存状態になったと考えられています。
- 100 :世界@名無史さん:2024/03/21(木) 02:17:55.81 0.net
- そのような貴重な化石が地表に露出し、風化しないうちに発見されたことは、まさに奇跡としか言いようがありませんでした。
- 101 :世界@名無史さん:2024/03/21(木) 02:34:50.94 0.net
- しかも、当時、最古の人類はアウストラロピテクス・アファレンシスと考えられていましたが、このアルディことアルディピテクス・ラミダスは、なんとアウストラロピテクス・アファレンシスより古い地層から発見されたのです。
これはつまり、アルディは最古の人類の記録が更新される可能性を秘めていたわけです。
- 102 :世界@名無史さん:2024/03/21(木) 02:49:17.45 0.net
- しかし、そんなアルディの化石化は不十分で、そのまま掘り出そうとすると化石自体が崩れてしまう危険性がありました。
そのため、化石を見つけ次第、周辺の土砂ごと凝固剤で固め、エチオピア国立博物館の研究室に持ち込んで慎重な復元作業を行う必要がありました。
- 103 :世界@名無史さん:2024/03/21(木) 03:04:53.66 0.net
- 特に頭蓋骨はひどく砕けていましたが、とても崩れやすいので実物を使った復元作業ができなかったため、諏訪によってCT技術を使ってコンピュータ画像として復元するという手法がとられました。
このCT技術を使った復元には、以前紹介した最古の人類サヘラントロプス・チャデンシスの発見者であるポワチエ大学のミシェル・ブリュネの影響もありました。
- 104 :世界@名無史さん:2024/03/21(木) 03:08:36.50 0.net
- アルディはその復元や評価に時間がかかったため、研究結果が公表されたのは2009年になってからでした。
アルディについての研究結果である11本の論文は『サイエンス』2009年10月2日号に掲載され、アルディに関するさまざまな角度からの分析やその生息環境について論じられました。
- 105 :世界@名無史さん:2024/03/21(木) 03:22:17.10 0.net
- この特集は100ページ近くになり、その号全体の約半分を占めました。
なんと、世界的な科学雑誌である『サイエンス』が後にこの一連の研究を、サイエンス誌がその年の最も発展的な研究に与える賞「ブレイクスルー・オブ・ザ・イヤー」に選出しました。
それだけこの研究は人類学に革新をもたらしたものなのです。
では、さっそくその研究結果をみていきましょう。
- 106 :世界@名無史さん:2024/03/21(木) 03:45:13.82 0.net
- 従来信じられていた人類と類人猿の共通祖先はチンパンジーに近いもので、ゴリラやチンパンジーのような、両手のこぶしを地面につける四足歩行である「ナックル歩行」をし、雌雄の犬歯には大きな性差があり、オスは大きな犬歯を持っていただろうと考えられていました。
また、そこから分岐し、ヒトが直立二足歩行を獲得したときには、原始的であろうとも、現代人と同じように足の親指と他の指が同じ向きに並ぶようになっていただろうとも考えられていました。
しかし、アルディはそうした原始的なイメージを大きく覆す特色を備えていました。
- 107 :世界@名無史さん:2024/03/21(木) 03:50:10.74 0.net
- アルディの身長は120 cm、推定体重は50kgで、身長に比べて体重がかなり重いです。
これは、アルディピテクス・ラミダスの雌雄の性差が小さかった可能性を示しています。
- 108 :世界@名無史さん:2024/03/21(木) 04:03:17.44 0.net
- 復元された頭蓋骨から、脳の大きさは300ccから370ccと、今から700万年前のサヘラントロプス・チャデンシス(320ccから380cc)の脳とも大差なく300cc前後におさまるチンパンジーの脳とも、大差のない数値といえます。
前寄りに位置する、頭蓋骨の底部に位置しており、脊髄の延長である延髄が通っている大後頭孔は、直立二足歩行をしていた可能性を示しています。
現存最古のサヘラントロプス・チャデンシスの場合、目の上の骨が水平方向に隆起している眼窩上隆起にかなりの厚みがあり、メスのゴリラと見なす少数意見の根拠にもなっていますが、アルディの眼窩上隆起は薄いです。
- 109 :世界@名無史さん:2024/03/21(木) 04:31:03.23 0.net
- 今日はこれぐらいで終わりましょうか。
明日はアルディの研究結果の続きをしましょう。
- 110 :世界@名無史さん:2024/03/21(木) 23:41:45.14 ID:0.net
- アルディの歯はあまりすり減っていないため、若い個体だろうと推測される。
- 111 :世界@名無史さん:2024/03/21(木) 23:43:04.43 ID:0.net
- また、刃の摩耗が少ないということは、中期の猿人であるアウストラロピテクス属のような砂混じりの食物を食べていなかっただろうとも推測できる。
- 112 :世界@名無史さん:2024/03/21(木) 23:46:13.34 ID:0.net
- アルディピテクス・ラミダスの全身骨格はアルディ1体分しか見つかっていないが、歯については35個体分以上のものが発掘されている。
そのため歯を詳しく調査することができた。
- 113 :世界@名無史さん:2024/03/21(木) 23:48:43.51 ID:0.net
- 分析の結果、アルディピテクス・ラミダスの犬歯の大きさの男女差はかなり小さく、アルディの犬歯はその中でも小さかったため、アルディはメスであると推測された。
- 114 :世界@名無史さん:2024/03/21(木) 23:51:48.36 ID:0.net
- かつて、人類もチンパンジーのように大きな犬歯を持っていたが、進化の過程で小型化していったと考えられていた。
しかし、アルディピテクス・ラミダスの犬歯の雌雄の性差は小さかったため、人類が犬歯を小型化するように進化したのに対し、チンパンジーは犬歯を大型化するように進化したであろうことを示している。
- 115 :世界@名無史さん:2024/03/21(木) 23:54:52.58 ID:0.net
- 犬歯の大きいチンパンジーはメスを争ってオス同士でケンカをよくしていますが、犬歯の小さいアルディピテクス・ラミダスは、おそらくメスをめぐってオスが争わない、一夫一妻制だったと考えられています。
- 116 :世界@名無史さん:2024/03/21(木) 23:57:27.25 ID:0.net
- この一夫一妻制により、特定の妻子により多くの食料を持ち帰るために、両手を自由に使える直立二足歩行ができるような進化を促したとも考えられています。
- 117 :世界@名無史さん:2024/03/22(金) 00:00:03.99 ID:0.net
- 犬歯以外の歯に注目してみると、チンパンジーやゴリラは特定の食物に合わせて歯を特殊化していったのに対し、アルディピテクス・ラミダスは歯の特殊化の傾向が見られない。これはつまり、アルディピテクス・ラミダスは特定の食物を食べない、雑食性だったことを示しています。
- 118 :世界@名無史さん:2024/03/22(金) 00:06:04.35 ID:0.net
- かつて、人類の祖先は類人猿に近いものと考えられていた時は、人類の祖先は現在の類人猿のように、こぶしを地面につける四足歩行である「ナックル歩行」を行っていたと考えられていた。
- 119 :世界@名無史さん:2024/03/22(金) 00:08:50.51 ID:0.net
- しかし、アルディの細部まで残された手の化石を分析してみると、そうではなかった。
体の割には手が大きく、現代人女性と大差なかった。
類人猿と同じく、アルディの指は長かったが、類人猿と違って手のひらは小さかった。
- 120 :世界@名無史さん:2024/03/22(金) 00:11:43.90 0.net
- アルディがナックル歩行を行っていたとみられる痕跡は見つからず、手で体重を支える時は、手のひらを地面につけて四足歩行を行っていたと考えられます。
そのため、樹上のような不安定な場所では、ナックル歩行ではなく、手のひらを地につける四足歩行を行っていただろうと考えられています。
- 121 :世界@名無史さん:2024/03/22(金) 00:13:30.07 0.net
- アルディピテクス・ラミダスが樹上生活を行っていたと言っても、類人猿のように手の長さが脚の長さより長いわけではなく、現代人のように脚の長さの方が手の長さより長いのです。
- 122 :世界@名無史さん:2024/03/22(金) 00:20:27.97 0.net
- アルディの場合、脚の化石も良好に残っている。
私達ホモ・サピエンスや中期の猿人アウストラロピテクス・アファレンシスでさえも、直立二足歩行がしやすいように足の親指とその他の指の向きは同じです。
しかし、アルディの場合、類人猿と同じように、足の親指とその他の指の向きが違っており、足でものをつかむことができました。
- 123 :世界@名無史さん:2024/03/22(金) 00:21:37.66 0.net
- ただし、チンパンジーの足の形は木の枝をつかむのに特化しているのに対し、アルディの足の形は歩行にも適していました。
- 124 :世界@名無史さん:2024/03/22(金) 00:23:10.70 0.net
- アルディの足の骨は他の類人猿と比べて、直立二足歩行ができるようにより頑丈なつくりになっていました。
また、親指以外の足の指はそらすことも可能でした。
- 125 :世界@名無史さん:2024/03/22(金) 00:25:16.29 0.net
- これらの事実から、アルディピテクス・ラミダスは、樹上では手のひらをつく四足歩行、地上では直立二足歩行を行っていたと考えられます。
しかし、アルディピテクス・ラミダスの直立二足歩行は、後の他の人類のものと比べて原始的で、長距離の歩行は困難で、走ることもできなかったと考えられます。
- 126 :世界@名無史さん:2024/03/22(金) 00:27:14.93 0.net
- また、樹上で四足歩行ができ、地上で二足歩行もできる足の構造の両面性から、アルディピテクス・ラミダスは食料を得るために地上に降り、寝る場所は肉食獣などの危険を避けるために樹上だったのではないかという指摘もあります。
- 127 :世界@名無史さん:2024/03/22(金) 00:29:43.33 0.net
- 現生人類ホモ・サピエンスの骨盤は上下に短く左右に広い構造であり、直立時に上半身を支えやすいようになっています。
しかし、アルディの場合は中期の猿人であるアウストラロピテクス・アファレンシスと比べても骨盤が上下に長いというより原始的な特徴を備えています。
- 128 :世界@名無史さん:2024/03/22(金) 00:31:22.84 0.net
- そのため直立二足歩行は苦手だったと考えられますが、それでも骨盤上部には直立歩行に適応できるような構造があります。
また、木登りにも適応できる構造もあります。
- 129 :世界@名無史さん:2024/03/22(金) 00:34:05.01 0.net
- アルディが生きていた時代は、今から440万年前だと考えられています。
また、アルディと一緒に森林に生息するレイヨウやサルの一種などの化石や種子・木片の化石などが発掘されたため、アルディは森林に生息していたと考えられます。
- 130 :世界@名無史さん:2024/03/22(金) 00:36:28.27 0.net
- 前述の砂混じりの食料を食べていなかったらしい歯の特徴から、サバンナで暮らしていた中期の猿人であるアウストラロピテクス属とは違い、アルディピテクス・ラミダスはサバンナへ進出していなかったことがわかります。
アルディが暮らしていた環境は、森林とサバンナが入り混じった環境だと考えられています。
- 131 :世界@名無史さん:2024/03/22(金) 00:40:24.47 0.net
- これらの今までの人類学を根底からひっくり返すようなアルディの研究結果は、アルディの発見者及び研究者に日本人である諏訪元が含まれていたこともあり、日本の各新聞社も大々的に報じました。
また、ディスカバリーチャンネルもアルディに関する2時間特集を放送しました。
- 132 :世界@名無史さん:2024/03/22(金) 00:43:56.72 0.net
- アルディピテクス・ラミダスが発見された1992年当時は最古の人類でしたが、公表に時間がかかり、その間にアルディピテクス・カダバ(1997年発見、2001年公表)、オロリン・トゥゲネンシス(2000年発見・公表)、サヘラントロプス・チャデンシス(2001年発見、2002年公表)などの500万年前から700万年前の重要な発見が相次いだため、アルディは公表時点で最古の人類ではなくなってしまっていました。
- 133 :世界@名無史さん:2024/03/22(金) 00:46:21.00 0.net
- しかし、アルディよりも古い人骨はいずれもほとんど共通する部位を含まない断片にすぎません。
特に最古のサヘラントロプス・チャデンシスに至っては頭蓋骨しか出土しておらず、脊椎の延長である延髄が入る頭蓋骨底部の穴である大後頭孔の位置から直立二足歩行の可能性が指摘されるにとどまっています。
- 134 :世界@名無史さん:2024/03/22(金) 00:47:54.29 ID:0.net
- このため、現在発見されている範囲では、アルディは人類が類人猿との共通祖先から分岐した原初の姿に最も近い特徴を備えていると考えられており、初期人類の解明に寄与するものと位置づけられています。
そのため、アルディピテクス・ラミダスこそが最古の人類だとする学説も未だに存在します。(n回目)
- 135 :世界@名無史さん:2024/03/22(金) 00:58:47.64 ID:0.net
- まとめ
「アルディピテクス・ラミダス」は、ほぼ全身の骨格が見つかり、骨盤の形などから二足歩行をしていたことが確実とされる、最古の人類です。人類は草原に進出して二足歩行を始めたという従来の定説を覆しました。
- 136 :世界@名無史さん:2024/03/22(金) 01:03:00.16 ID:0.net
- 今日はこのあたりで終わりとしましょう。
明日はついに、猿人で最も繁栄した属である、中期の猿人、アウストラロピテクス属についてみていきましょう。
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