【とんぼ】長渕剛 Part4【乾杯】
1 :7分74秒 :2013/11/04(月) 09:31:40.12 ID:UM3L3zYr.net 現音リスナーの皆さんからみた剛の魅了、音楽性、メッセージ性など 熱いスレにしましょう!
2 :7分74秒 :2013/11/05(火) 09:40:16.28 ID:SgZAUexJ.net >>1 乙
3 :7分74秒 :2013/11/05(火) 22:50:32.75 ID:TaYCksN7.net TSUYOSHI FOREVER
4 :NO MUSIC NO NAME :2013/11/06(水) 00:38:09.33 ID:QL6ay8o/.net 長渕は包茎
5 :7分74秒 :2013/11/06(水) 01:11:17.09 ID:b1iDyVWI.net 剛の音楽に出会えたことに、日々感謝。 剛の音楽を胸に、日々精進。
6 :7分74秒 :2013/11/09(土) 02:11:00.75 ID:HwxjcVWM.net 良スレ
7 :7分74秒 :2013/11/09(土) 14:47:05.30 ID:6L1KuRDQ.net 長渕は祖国へ帰れ
8 :7分74秒 :2013/12/02(月) 00:06:10.07 ID:ayHYmCgK.net 大麻中毒 前科一犯の犯罪者スレへようこそ! ブチオタの基地外諸君 元気ですかー 食ってますかー うんこを食えば元気になれる 危ぶむなかれ うんこは美味い 危ぶめば道は無し 食い出せばその一口が道となる 迷わず食えよ 食えば判るさ! セイッ!
9 :7分74秒 :2014/03/07(金) 15:26:37.68 ID:sIrZzwfv.net 剛の音楽に出会えたことに、日々感謝。 剛の音楽を胸に、日々精進。
10 :7分74秒 :2014/03/20(木) 21:49:53.37 ID:gmNU80EM.net Gladneed←馬鹿
11 :7分74秒 :2014/03/30(日) 08:41:01.31 ID:6R+cFa+s.net ■佐村河内守そっくりシリーズ第四弾!ID導入後も続く悪事の暴露に思わずポロリ!!■ ●佐村河内守の場合 「新垣さん(ゴーストライター)を名誉毀損で訴えます!」 一同「えっ?w」 http://www.youtube.com/watch?v=RBi_Lhzl6ek ●新宿古着屋の場合 51 ノーブランドさん sage 2014/03/20(木) 14:59:23.98 ID:PFfTmxiJ0 キチガイはよ開示されんかなぁ ネットに詳しい弁護士に相談してみようかな 55 ノーブランドさん 2014/03/20(木) 17:22:32.03 ID:7ww2GaHj0 「ネットに詳しい弁護士に相談」ってことは、つまり新宿古着屋本人ってことですよね?w 他人が荒らしについて誰かに相談したところで何の解決にもなりませんものねwwwwwww またやっちゃいましたねwwwwwwwwwwwwww 57 ノーブランドさん New! 2014/03/20(木) 17:31:53.13 ID:ySUxupA40 「ネットに詳しい弁護士に相談」して「開示」される可能性があるのは、 相談先が弁護士であれ警察であれ相談した人間が「本人」である以外にはあり得ませんw あっちゃーこれはやっちゃいましたねぇ(一同爆笑) http://toro.2ch.net/test/read.cgi/fashion/1395226486/46-57 ストーカー新宿古着屋まとめスレ(ほかにも多くの爆笑レスがまとめられています!必見!) http://toro.2ch.net/test/read.cgi/fashion/1391724233/
12 :7分74秒 :2014/06/18(水) 23:41:48.86 ID:q4DxAgkC.net 人間誰しも一日一度はうんこ臭い
13 :7分74秒 :2014/09/12(金) 08:22:42.29 ID:uaYDn8hR.net 長渕はコンサートでバックステージに客入れといて終始後ろを振り向くことなくガン無視 しかもカンペモニターをガン見しながら歌っているし、歌詞間違えるし、ギター下手だし、こいつどんだけ客を舐めてるんだよ 食糞野郎! セィッ!
14 :7分74秒 :2014/09/14(日) 17:03:46.50 ID:KV/7lA07.net 長渕はいつもウンコを食いながらウンコに乾杯しているのさ
15 :7分74秒 :2014/09/19(金) 21:58:23.89 ID:uPu1RbCF.net 「富士山という日本のど真ん中で、生命の匂いを感じながらもう一度、みんなと拳を突き上げ、叫びたいと思った。 「美しくて、気高く、父性も母性もあって、生き物の匂いがするところ」と語ると、「そんな富士山に抱かれ、そして何かを届けたい。(富士山に)音楽と言葉の矢が刺さった時に、きっと勇気や希望が訪れるはず。必ずや朝日を引きずり出してみせます」と力を込めた。 「とにかくきやがれ。何かを見つけろ!」とファンにメッセージを送った。
16 :7分74秒 :2014/09/27(土) 19:40:21.96 ID:YLpLUKI3.net あのねぇ〜ぼくねぇ〜おおきくなったらねぇ〜 みゅーじしゃんになってねぇ〜 ふぁんのばかだましておかねいっぱいもうけてね〜 らいぶでさくらつかってねぇ〜 ぶろぐでばらされてねぇ〜 しんすけにこびうってねぇ〜 こどもたちのひとみにうそつけないってゆってねぇ〜 うそつきまくってねぇ〜 へたくそなえをかいてねぇ〜 おーくしょんにだしてねぇ〜 そこでもさくらつかってねぇ〜 すたっふににくうどんもってこいってゆってねぇ〜 ぼうりょくふるってねぇ〜 せくはらしてねぇ〜 いっぱいいっぱいせくはらしてねぇ〜 にくうどんたべてねぇ〜 おどしてねぇ〜 ねんしょかかせてねぇ〜 しゅうかんしにかかれてねぇ〜 にくうどんたべてねぇ〜 いっぱいいっぱいにくうどんたべてねぇ〜 こうこうせいとうたをつくってねぇ〜 おれとおまえらのきょくだとかゆってねぇ〜 でもいんぜいはひとりじめしてねぇ〜 にくうどんたべてねぇ〜 じしんがおきてもむししてぼーりんぐやってねぇ〜 ぶろぐでばらされてねぇ〜 いっかげつにげまくってねぇ〜 えーけーびーがごおくえんきふしたのがきにいらないかららじおでもんくゆってねぇ〜 でもじぶんはぎえんきんだすのもったいないからださなくてねぇ〜 ますこみよんでじえいたいとなかよしのふりしてねぇ〜 つなみがにくいとかゆってねぇ〜 にくうどんたべてねぇ〜 いっぱいいっぱいにくうどんたべてねぇ〜 きよはらのにくぶとんがだいすきです!
17 :7分74秒 :2014/10/16(木) 23:46:35.18 ID:Xf+4OsN7.net ぶちの肉棒がどうしたん?
18 :7分74秒 :2014/12/24(水) 16:12:26.13 ID:5XfoPNA6.net 長渕来場! http://www.nagabuchi.or.jp/cat_news/3535/
19 :7分74秒 :2015/01/21(水) 20:10:08.02 ID:m7cmY3Ht.net 剛の音楽に出会えたことに、日々感謝。 剛の音楽を胸に、日々精進。
20 :7分74秒 :2015/01/28(水) 11:00:32.28 ID:FH+IR8ET.net 剛の音楽に出会えたことに、日々感謝。 剛の音楽を胸に、日々精進。
21 :7分74秒 :2015/02/01(日) 10:12:33.68 ID:lS9wiNUj.net 一番の名曲は、ジュンレンかえって恋よ。 セイ♪
22 :7分74秒 :2015/02/05(木) 22:41:12.06 ID:BPoULFNq.net 長渕好きなんだが、あまりレスつかないね
23 :7分74秒 :2015/02/12(木) 11:16:49.54 ID:Jqy7NrKb.net 長渕はチョン
24 :7分74秒 :2015/02/22(日) 18:15:40.47 ID:fLT2vv8T.net 剛の音楽に出会えたことに、日々感謝。 剛の音楽を胸に、日々精進。
25 :7分74秒 :2015/02/25(水) 11:54:36.79 ID:JW/KRQPC.net >>24 チョンがチョンに感謝wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
26 :7分74秒 :2015/03/06(金) 12:26:14.91 ID:Gdhy29ij.net 良スレ
27 :7分74秒 :2015/03/16(月) 18:05:08.93 ID:O4Yu97q1.net 良スレ
28 :7分74秒 :2015/03/21(土) 10:25:00.31 ID:fH42aSwL.net 剛の音楽に出会えたことに、日々感謝。 剛の音楽を胸に、日々精進。
29 :7分74秒 :2015/03/25(水) 23:38:10.20 ID:RxUnOXk3.net 長渕は神
30 :7分74秒 :2015/03/28(土) 11:56:23.95 ID:scHj1NdA.net 良スレ
31 :7分74秒 :2015/03/31(火) 09:52:25.28 ID:E7CanIzP.net 長渕離婚しろ
32 :7分74秒 :2015/04/05(日) 00:08:10.77 ID:YZOs2b/3.net 良スレ
33 :7分74秒 :2015/04/05(日) 09:44:00.80 ID:UJ3RyuEj.net 長渕離婚しろ
34 :7分74秒 :2015/04/07(火) 13:07:45.20 ID:5W4nKvPi.net 堂本香樹です。よろしくお願いします。 m.youtube.com/watch?v=rJRu5ctvbJw
35 :7分74秒 :2015/04/10(金) 13:03:24.35 ID:vu9rt3NM.net 剛の音楽に出会えたことに、日々感謝。 剛の音楽を胸に、日々精進。
36 :禿渕 :2015/04/16(木) 09:15:47.44 ID:6Lc7KOkv.net あのねぇ〜ぼくねぇ〜おおきくなったらねぇ〜 みゅーじしゃんになってねぇ〜 ふぁんのばかだましておかねいっぱいもうけてね〜 らいぶでさくらつかってねぇ〜 ぶろぐでばらされてねぇ〜 しんすけにこびうってねぇ〜 こどもたちのひとみにうそつけないってゆってねぇ〜 うそつきまくってねぇ〜 へたくそなえをかいてねぇ〜 おーくしょんにだしてねぇ〜 そこでもさくらつかってねぇ〜 すたっふににくうどんもってこいってゆってねぇ〜 ぼうりょくふるってねぇ〜 せくはらしてねぇ〜 いっぱいいっぱいせくはらしてねぇ〜 にくうどんたべてねぇ〜 おどしてねぇ〜 ねんしょかかせてねぇ〜 しゅうかんしにかかれてねぇ〜 にくうどんたべてねぇ〜 いっぱいいっぱいにくうどんたべてねぇ〜 こうこうせいとうたをつくってねぇ〜 おれとおまえらのきょくだとかゆってねぇ〜 でもいんぜいはひとりじめしてねぇ〜 にくうどんたべてねぇ〜 じしんがおきてもむししてぼーりんぐやってねぇ〜 ぶろぐでばらされてねぇ〜 いっかげつにげまくってねぇ〜 えーけーびーがごおくえんきふしたのがきにいらないかららじおでもんくゆってねぇ〜 でもじぶんはぎえんきんだすのもったいないからださなくてねぇ〜 ますこみよんでじえいたいとなかよしのふりしてねぇ〜 つなみがにくいとかゆってねぇ〜 にくうどんたべてねぇ〜 いっぱいいっぱいにくうどんたべてねぇ〜 きよはらのにくぶとんがだいすきです!
37 :7分74秒 :2015/05/13(水) 20:23:57.10 ID:ENkI91BL.net 良スレ
38 :7分74秒 :2015/05/15(金) 10:53:45.85 ID:ASGSi5Vy.net 良スレ
39 :7分74秒 :2015/05/22(金) 14:41:12.05 ID:LMpgbpcf.net 良スレ
40 :7分74秒 :2015/05/22(金) 22:23:08.80 ID:FM2Kngds.net 剛の音楽に出会えたことに、日々感謝。 剛の音楽を胸に、日々精進。
41 :7分74秒 :2015/05/31(日) 10:35:22.05 ID:Tm/GyBpR.net 剛の音楽に出会えたことに、日々感謝。 剛の音楽を胸に、日々精進。
42 :7分74秒 :2015/06/01(月) 10:07:14.50 ID:2zMV1+sy.net 長渕は在日
43 :7分74秒 :2015/06/03(水) 01:21:49.47 ID:kzRs7cKA.net おまいら唄えるか?長渕剛「とんぼ」を48の生歌でどうぞ! [転載禁止](c)2ch.net http://mastiff.2ch.net/test/read.cgi/akb/1433256482/
44 :7分74秒 :2015/06/09(火) 19:20:03.15 ID:POJAuIuS.net 良スレ
45 :7分74秒 :2015/06/14(日) 09:56:32.46 ID:kYCJBpKF.net 長渕は在日
46 :マイナンバーは終わり! :2015/06/15(月) 02:40:25.28 ID:mo0RfWHs.net マイナンバーは終わり!立ち上がれ!行動して!マイナンバーは人間の体内にチップを埋め込み義務化するようになる。そうなると人間はマイナンバークラウドのサイボーグ!日本は終わり!立ち上がれ!行動して!
47 :7分74秒 :2015/06/24(水) 16:13:35.03 ID:OGrsmD38.net 良スレ
48 :7分74秒 :2015/06/28(日) 09:46:18.12 ID:UHAUcbZs.net 長渕は在日
49 :7分74秒 :2015/06/30(火) 22:41:32.50 ID:Up5EAflg.net 剛の音楽に出会えたことに、日々感謝 剛の音楽を胸に、日々精進
50 :7分74秒 :2015/07/05(日) 09:41:07.75 ID:k8fKEMQ7.net 長渕くたばれ
51 :7分74秒 :2015/07/12(日) 10:50:04.00 ID:Vt24uFHb.net 良スレ
52 :7分74秒 :2015/07/12(日) 20:34:33.69 ID:cqjO8IeC.net 「ファンが怖そう」と思うアーティストランキング 1位 長渕剛 16% 1位 嵐 16% 3位 矢沢永吉 12% 3位 AKB48グループ 12% 5位 X JAPAN 11% 6位 EXILE 8% 7位 東方神起 5% 7位 BIGBANG 5% 9位 SEKAI NO OWARI 4% 10位 NEWS 3%
53 :7分74秒 :2015/07/14(火) 12:08:13.17 ID:YupLt+ic.net 良スレ
54 :7分74秒 :2015/07/16(木) 00:41:47.84 ID:gGNgFTtT.net 剛の音楽に出会えたことに、日々感謝 剛の音楽を胸に、日々精進
55 :7分74秒 :2015/07/19(日) 09:39:00.67 ID:juriMntV.net 長渕は在日
56 :7分74秒 :2015/07/19(日) 19:11:45.41 ID:3t4SN69w.net 長渕剛は低学歴のキチガイだから仕方ないな>>1
57 :7分74秒 :2015/07/19(日) 23:20:16.77 ID:u858ujvn.net >>56 お前も低学歴だろ? 東大でも出てんの?
58 :7分74秒 :2015/07/25(土) 21:48:43.44 ID:vaQdD1p9.net 良スレ
59 :7分74秒 :2015/07/28(火) 09:36:13.90 ID:ehvErX9z.net 長渕は在日
60 :7分74秒 :2015/08/04(火) 21:39:57.25 ID:+Ki5R91e.net 良スレ
61 :7分74秒 :2015/08/06(木) 09:32:07.22 ID:bdh+qn98.net 長渕は在日
62 :7分74秒 :2015/08/11(火) 19:58:02.75 ID:rzVWFWTz.net 残暑お見舞い申し上げます。富士ライブ成功をお祈りいたします。 奥さんのレコード大事にもってます。
63 :7分74秒 :2015/08/11(火) 19:58:59.81 ID:rzVWFWTz.net 矢沢さんファンなので行けません
64 :7分74秒 :2015/08/19(水) 04:07:04.48 ID:OlD2MK8i.net 良スレ
65 :7分74秒 :2015/08/25(火) 10:14:02.85 ID:y+4VJ6b/.net 良スレ
66 :7分74秒 :2015/08/25(火) 13:15:05.05 ID:Zov1aBgG.net 布袋寅泰さんは父親が韓国人だけど母親の私生児なので日本人 この人はそんなことはどうでもいいくらいええ男である
67 :7分74秒 :2015/08/25(火) 13:15:52.97 ID:Zov1aBgG.net 国籍はともかく長淵は在日的
68 :7分74秒 :2015/08/26(水) 13:11:44.19 ID:tb6eHZuO.net 剛の音楽に出会えたことに、日々感謝。 剛の音楽を胸に、日々精進。
69 :7分74秒 :2015/08/29(土) 21:27:41.01 ID:SIdF6vsw.net 良スレ
70 :7分74秒 :2015/08/30(日) 04:26:47.45 ID:SxoDycJE.net 良スレ
71 :7分74秒 :2015/08/31(月) 20:03:13.75 ID:2HyN1rJv.net 良スレ
72 :7分74秒 :2015/09/11(金) 03:54:01.98 ID:9SDtFsXB.net 良スレ
73 :7分74秒 :2015/09/17(木) 09:41:57.62 ID:oYEXgsU6.net 長渕は在日
74 :7分74秒 :2015/09/26(土) 11:27:07.11 ID:DSieX0Uk.net 長渕は神
75 :7分74秒 :2015/09/26(土) 14:32:19.27 ID:8ZHQvqx5.net 出会ったころの二人にもう一度戻ってみようって そんなことができるなら 出会う前の独りに戻って違う男と人生やりなおすわ ばかたれ
76 :7分74秒 :2015/09/26(土) 14:44:09.74 ID:8ZHQvqx5.net 私の友人は私の結婚式でカラオケの時間はないし長渕大嫌いだから歌わないでと釘を刺しておいたら スピーチで乾杯を歌いました 長渕ファンってそうなんですよね
77 :7分74秒 :2015/09/26(土) 15:03:32.21 ID:8ZHQvqx5.net その友人の旦那がプチ長渕 子供たちは二人とも後ろ髪ながいし
78 :7分74秒 :2015/09/27(日) 08:04:58.42 ID:h8qbAmzB.net 布袋さんは気は優しくて力持ちだけど女にはだらしがない が許す
79 :7分74秒 :2015/10/01(木) 19:54:43.12 ID:XbG2lT2S.net 良スレ
80 :7分74秒 :2015/10/05(月) 09:23:20.06 ID:YWYsgnCZ.net 糞スレ
81 :7分74秒 :2015/10/06(火) 18:34:51.02 ID:WR3riVvJ.net 剛の音楽に感謝
82 :7分74秒 :2015/10/20(火) 14:58:00.62 ID:3MqOEE9y.net 良スレ
83 :7分74秒 :2015/10/21(水) 13:51:02.22 ID:Vu71D1Ii.net 剛の音楽に出会えたことに、日々感謝。 剛の音楽を胸に、日々精進。
84 :7分74秒 :2015/10/21(水) 15:08:19.75 ID:MKrry7D6.net 良スレ
85 :7分74秒 :2015/10/22(木) 23:21:14.47 ID:XC66y85O.net 良スレ
86 :7分74秒 :2015/10/26(月) 20:51:52.79 ID:hO8mcczB.net 良スレ
87 :7分74秒 :2015/11/09(月) 20:28:01.68 ID:z7DN8cgd.net 良スレ
88 :7分74秒 :2015/11/11(水) 21:11:32.44 ID:jGxQSSJl.net 剛に感謝!
89 :7分74秒 :2015/11/23(月) 20:30:12.71 ID:FUaAjPO4.net 剛の音楽に出会えたことに、日々感謝。 剛の音楽を胸に、日々精進。
90 :7分74秒 :2015/11/26(木) 17:15:13.37 ID:O3GnpbKb.net 良スレ
91 :7分74秒 :2015/12/04(金) 22:44:13.72 ID:gHJbb/YB.net 良スレ
92 :7分74秒 :2015/12/08(火) 00:37:44.43 ID:BwYYWFjk.net 良スレ
93 :7分74秒 :2015/12/13(日) 00:09:57.62 ID:kX4sR7Y1.net 良スレ
94 :7分74秒 :2015/12/14(月) 00:33:39.86 ID:17q9zYTm.net 人生で一番失敗したのが旦那と結婚したこと
95 :7分74秒 :2015/12/15(火) 11:31:40.82 ID:LKSFlPvL.net 良スレ
96 :7分74秒 :2015/12/19(土) 16:31:02.62 ID:J77kbebQ.net 剛の音楽に出会えていなかったら、おそらく今の自分は無い 感謝!
97 :7分74秒 :2015/12/23(水) 17:41:10.46 ID:mmWBgaCu.net 良スレ
98 :7分74秒 :2015/12/26(土) 06:17:33.24 ID:8L2T7XWB.net セイッ!
99 :7分74秒 :2015/12/27(日) 11:15:24.26 ID:HjYsTqJN.net セイセイッ!
100 :7分74秒 :2016/01/05(火) 19:03:32.36 ID:Lcv+SKg1.net セイセイセイッ!
101 :7分74秒 :2016/01/06(水) 22:04:29.12 ID:ks9ppKfe.net 良スレ
102 :7分74秒 :2016/01/07(木) 09:48:55.57 ID:3pMWJilF.net 良スレ
103 :7分74秒 :2016/01/08(金) 18:51:47.35 ID:7phW/9C4.net 剛に乾杯!
104 :7分74秒 :2016/01/13(水) 20:23:05.23 ID:P7JBSM81.net 良スレ
105 :7分74秒 :2016/01/21(木) 07:23:32.36 ID:vju/fX9e.net 良スレ
106 :7分74秒 :2016/01/29(金) 21:42:15.26 ID:jlQCGuFj.net 良スレ
107 :7分74秒 :2016/02/02(火) 14:24:38.96 ID:VgrHlP+j.net 良スレ
108 :7分74秒 :2016/02/13(土) 04:00:14.83 ID:QcRXTZgh.net 良スレ
109 :7分74秒 :2016/02/26(金) 17:31:14.24 ID:i4QsvRTMA Musicandheart WindsorTerraceBrocrlynの山内雄介は 妄言うるさい精神障害者、廃棄のコンビニ弁当15年以上タダ食いのコジキ
110 :7分74秒 :2016/03/09(水) 02:06:20.40 ID:QpgLKrZX.net うんこ
111 :7分74秒 :2016/03/09(水) 20:14:37.29 ID:03mqGWIH.net 剛の音楽に 出会えたことに、日々感謝。 剛の音楽を胸に、日々精進。
112 :7分74秒 :2016/06/26(日) 16:35:09.45 ID:hjensjf2.net 良スレ
113 :7分74秒 :2016/07/21(木) 16:28:32.37 ID:xaF0vYj3.net このバカ覚醒剤の任意検査拒否したらしいな
114 :7分74秒 :2016/11/11(金) 00:10:25.81 ID:OH8oI/5V.net うんこ
115 :sage :2016/11/11(金) 19:20:00.63 ID:VLVLTYgP.net https://www.youtube.com/watch?v=tY-xyCbzdqY https://www.youtube.com/watch?v=NJYs5GTmdcg
116 :7分74秒 :2016/11/29(火) 22:04:57.19 ID:sx7LAxg1.net 福島の高校の校歌を作曲したそうだよ
117 :7分74秒 :2016/12/06(火) 16:57:00.97 ID:TZh76D1C.net うんこ
118 :7分74秒 :2016/12/08(木) 16:14:02.79 ID:t26JbrYN.net 糞スレ
119 :7分74秒 :2017/01/02(月) 19:41:59.55 ID:+NnMdQO3.net 明けましておめでとう!
120 :7分74秒 :2017/01/02(月) 19:46:11.45 ID:+NnMdQO3.net 明けましておめでとう!
121 :7分74秒 :2017/01/04(水) 15:16:35.91 ID:Y4qDc0OW.net https://goo.gl/hiAKfw これはやばい。。これからどうすればいいのよ・・・
122 :7分74秒 :2017/01/08(日) 00:08:16.75 ID:h0oH+YO+.net 長渕は神
123 :7分74秒 :2017/01/18(水) 03:46:45.15 ID:oMbajZ72.net 乾杯!
124 :7分74秒 :2017/01/28(土) 09:25:15.84 ID:UI6E3pw6.net https://www.joetsutj.com/articles/25039520 音楽講師も薬中多いのか? 瓶で頭殴るとか(笑 クッキー音楽教室
125 :7分74秒 :2017/01/28(土) 09:26:13.08 ID:UI6E3pw6.net ↑ こいつ絶対にブチオタ 42歳 音楽講師 瓶で女殴ってからの片足ケンケン(笑
126 :7分74秒 :2017/02/01(水) 01:04:51.55 ID:doYR2YwF.net https://goo.gl/vPWHkX これはやばいでしょ。。? 本当なの??
127 :7分74秒 :2017/02/15(水) 23:55:14.11 ID:fWe4QhCg.net unko
128 :7分74秒 :2017/04/07(金) 02:23:09.99 ID:jUwWPFHL.net コレは? http://hayabusa7.2ch.net/test/read.cgi/liveradio/1491494355/
129 :7分74秒 :2017/05/05(金) 02:31:58.85 ID:xocojLSZ.net まぁまぁかな http://hayabusa7.2ch.net/test/read.cgi/liveradio/1493913016/747-1000
130 :7分74秒 :2017/07/26(水) 22:10:42.02 ID:Z+BFgzhW.net unko
131 :7分74秒 :2017/12/02(土) 04:27:49.25 ID:yGA9kDsV.net おやすみ
132 :7分74秒 :2017/12/02(土) 15:21:00.70 ID:e7RVoyH+.net うんこ
133 :7分74秒 :2018/02/18(日) 14:07:13.77 ID:WH076xVh.net うんこ
134 :7分74秒 :2018/02/24(土) 02:23:36.28 ID:HAsucl7o.net 親子ジグザグ
135 :7分74秒 :2018/03/17(土) 18:10:40.30 ID:6l1L5fsu.net ぶっちゃけ、ファンの人たちは長渕剛がやってないと信じてる? 何をって聞かれても答えないけど。
136 :7分74秒 :2018/04/04(水) 01:32:21.46 ID:J21qA/Wc.net 食糞
137 :7分74秒 :2018/04/28(土) 08:53:27.38 ID:kVc5lKNr.net ユニークで個性的な副業情報ドットコム 役に立つかもしれません グーグル検索『金持ちになりたい 鎌野介メソッド』 LF8UV
138 :7分74秒 :2018/05/15(火) 21:43:15.64 ID:Fh07pxp6.net セイッ
139 :7分74秒 :2018/06/10(日) 20:40:13.41 ID:QgOovYhm.net セイッ、セイッ!
140 :7分74秒 :2018/06/27(水) 07:23:18.44 ID:ocdiV2MZ.net つよし
141 :7分74秒 :2018/06/27(水) 21:55:45.85 ID:Kke9mvs+.net とても簡単な嘘みたいに金の生る木を作れる方法 興味がある人はどうぞ 検索してみよう『ネットで稼ぐ方法 モニアレフヌノ』 548
142 :7分74秒 :2018/06/28(木) 20:00:01.28 ID:UNbQy/XY.net 331 :For 74 seconds for seven minutes: At 01:02:51 of 2008/02/01 (Friday) The ID:uraCrKnu 37 2007 January 05, year 23:02. M. F. > Tamae Tokioka I am sorry for late the answer. Boulez..Japan..Boulez..music..speech..situation..have..dissatisfied..chiefly..at least..in general..wide..circulate..one..for..a little..pedantically..level.. discussion..a lot..score..substantial..content..depress..one..hardly..provide.. thing..understand. Certainly, a theoretical description is hardly seen in Boulez's writing since a certain time. This is personally one of the big dissatisfaction though three works that use the live electronics cannot buy even the score. Peel..after this..say.. almost all..for instance..include. However, if the memory is correct (Though it is not because of looking at me and having heard it), Boulez thinks that it had gone occasionally in the lecture concerning making by oneself since the '70 age. When will obtaining time become unnecessary (Except whether to have a mind to do) though he makes it a character? On the other hand..nowadays..Japan..Boulez..relate..remark..quality..low..one..hold.. problem..fact..deliberate..examination..lack..score..analysis..know..level..Japanese.. reference..Boulez..writing..material..hit..thing..originate..think..writer.. responsibility..think. I feel either by finding an appropriate explanation for general even of the side that can talk when correlating with other arts about the music of the 20th century including Boulez or should talk the situation nowadays that should be supplemented for myself because it is rare (He is type that avoids an immediate reference, and because understanding is not easy alone though there is a Mr. word that Boulez dusts of course) is indescribably inconvenient. For the time being though it is not thought that it becomes an answer so much.
143 :7分74秒 :2018/06/29(金) 19:27:08.11 ID:RDlAlj71.net おまいらの口車に乗せられてサントリーホールまで足を運んだおいらが来ましたよ、と。 客席になんだか女子中高生が多かった気がしたのは堤先生のご威光によるものなのか、野平 先生のピアノの弟子筋が大挙して来ていたのか。 前半の野平作品はみんなよく寝ていただけました。俺はピアニストとしての先生の名人芸と 頭髪には全く称賛を惜しまない者だが、残念ながら作曲の方はご縁がなかったらしい。前の 方で盲導犬が大人しく(当然か)聴いて居たが、あやつの評価を訊いてみたく思った。 んなことはいい。ブーレーズだ。 アンサンブルアンポンタンだかなんだかのディスクでかつて聴いた印象とは大分違った。 チャンスオペレーションによるものなのか改訂によるものなのかは不明。どうせ楽譜見たって わからんだろうし。都響はよく頑張っていたと思う。 ただ、アンサンブルインテルミラノだかなんだかの演奏では「ミュルティプル」に入った途端 音楽が水彩色になって鮮やかに集散し出したとの印象があったのだが、あれは録音のマジック だったのかそれとも今回の楽譜が改訂ならぬ改悪だったのか、今いちぱっとしない感じだった。 演奏者が指揮者の左手の数字のサイン(割と順番に出していた気がしたけど)を緊張して見て いたのがわかったが、番号がかわる都度音楽が滞ったように思えたのはどんなもんかね。 ツィンバロンが調子の狂った箏曲のような歌を突然奏でたり様々な色や大きさの粒子を一斉に ぶちまけたりと部分部分でははっとさせられる場面が多いのだが、これを無限に変奏し続ける 意味があるのかは正直疑問に感じた。というか終盤は飽きた。永遠に未完の音楽を創り続ける 俺カコイイというブー先生とはお付き合いしきれんと思った。四の五の言わせずきっちり完成 させる厳しいママンがいたらいいのにと思った。ピエール瀧はふつうの俳優になったら嫌だと 思った。 あと全ステージを通じて鍵盤の前に大井浩明のようなガタイのいい坊っちゃんカットの奏者が いたのであるが、月末に指先を思いっきし酷使するシュトックハウゼンの演奏会を控えている 大井浩明がこんな場所にいるはずがないので目の錯覚だと思った。ちょっとしたお得感。 長くてすまんね。以上。
144 :7分74秒 :2018/06/30(土) 00:08:57.03 ID:OfVuPohA.net Q:作品の題名のことで、まるでグレゴリオ聖歌か何かを思わせるような題名を数多く採用されているのには ご自身の音楽の中に何かそういった宗教的な内容を含めようとされてのことなのでしょうか。 A:いえ、そういうわけではないのです。西洋クラシックの音楽には典型的なタイトルがあって それぞれある意味を内包したものです。すなわち交響曲とか協奏曲などがそれです。 私も若いときにはソナチネやソナタなどというタイトルを自作に用いていました。 しかし、ある時期からそうした決まりきった意味を内包するタイトルと私の作風が合致しないという風に思い始めました。 たとえば主題を展開していくような音楽ではなく響きの構造を表した音楽を書いたときにはそのタイトルがソナタというのでは意図が十分に伝わらないというようなことです。 レポンとは応対するという意味ですが、そのタイトルがこの作品に私が込めた意味を内包しているということはもちろん、その意味をそれとして限定的なものにしない、 ある程度自由な解釈のできる言葉だということでと、まさしくぴったりの題名だと思っています。
145 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:54:18.91 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
146 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:54:37.15 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
147 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:54:57.12 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
148 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:55:17.33 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
149 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:56:07.78 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
150 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:56:24.47 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
151 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:56:45.06 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
152 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:57:37.02 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
153 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:57:54.91 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
154 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:58:40.32 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
155 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:59:01.52 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
156 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:59:15.19 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
157 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:59:44.71 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
158 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:00:31.22 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
159 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:00:58.57 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
160 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:01:37.57 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
161 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:01:55.07 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
162 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:02:30.89 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
163 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:02:53.36 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
164 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:03:41.80 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
165 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:04:29.28 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
166 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:04:47.55 ID:8qUom2G1.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
167 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:05:08.73 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
168 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:05:40.06 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
169 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:06:39.55 ID:0MUIj9Mc.net 板復帰(OK!:Gather .dat file OK:moving DAT 583 -> 582:Get subject.txt OK:Check subject.txt 583 -> 583:Overwrite OK)1.28, 1.51, 1.53 age subject:583 dat:582 rebuild OK!
170 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:06:59.63 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
171 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:07:39.17 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
172 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:08:00.49 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
173 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:08:26.71 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
174 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:09:05.70 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
175 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:09:51.61 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
176 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:10:24.71 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
177 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:12:41.36 ID:0MUIj9Mc.net 板復帰(OK!:Gather .dat file OK:moving DAT 583 -> 582:Get subject.txt OK:Check subject.txt 583 -> 583:Overwrite OK)1.52, 1.46, 1.48 age subject:583 dat:582 rebuild OK!
178 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:13:06.47 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
179 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:15:27.36 ID:0MUIj9Mc.net 板復帰(OK!:Gather .dat file OK:moving DAT 583 -> 582:Get subject.txt OK:Check subject.txt 583 -> 583:Overwrite OK)1.35, 1.40, 1.45 age subject:583 dat:582 rebuild OK!
180 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:17:55.70 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
181 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:18:21.25 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
182 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:18:39.15 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
183 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:20:34.91 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
184 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:21:07.37 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
185 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:21:18.98 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
186 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:21:44.58 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
187 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:21:57.80 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
188 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:22:12.00 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
189 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:22:41.64 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
190 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:23:06.09 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
191 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:23:14.55 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
192 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:23:35.96 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
193 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:23:51.62 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
194 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:24:23.23 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
195 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:24:29.84 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
196 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:24:46.95 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
197 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:24:57.20 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
198 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:25:16.69 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
199 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:25:29.88 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
200 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:25:50.13 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
201 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:26:05.32 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
202 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:26:34.20 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
203 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:26:41.05 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
204 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:27:11.01 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
205 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:27:17.69 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
206 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:27:33.46 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
207 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:27:41.60 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
208 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:28:18.69 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
209 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:28:28.00 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
210 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:28:51.60 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
211 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:29:10.32 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
212 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:29:28.87 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
213 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:30:08.29 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
214 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:30:22.95 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
215 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:30:32.57 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
216 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:30:57.93 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
217 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:31:07.62 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
218 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:32:19.39 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
219 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:32:26.60 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
220 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:32:54.88 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
221 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:33:05.46 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
222 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:33:18.63 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
223 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:33:28.22 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
224 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:33:37.62 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
225 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:33:47.18 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
226 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:33:56.95 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
227 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:34:05.25 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
228 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:34:15.22 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
229 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:34:31.21 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
230 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:34:39.37 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
231 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:34:46.76 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
232 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:34:54.32 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
233 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:35:02.72 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
234 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:35:09.68 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
235 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:35:18.88 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
236 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:35:26.77 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
237 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:35:35.49 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
238 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:35:43.69 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
239 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:35:52.97 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
240 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:36:01.59 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
241 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:36:11.26 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
242 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:36:24.34 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
243 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:36:31.73 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
244 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:36:40.16 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
245 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:36:49.77 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
246 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:36:58.06 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
247 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:37:06.36 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
248 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:37:14.50 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
249 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:37:23.20 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
250 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:37:31.21 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
251 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:37:39.76 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
252 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:37:55.96 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
253 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:38:04.56 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
254 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:38:14.19 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
255 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:38:22.51 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
256 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:38:30.04 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
257 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:38:39.43 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
258 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:38:46.97 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
259 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:38:54.94 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
260 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:39:02.50 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
261 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:39:12.11 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
262 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:40:13.77 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
263 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:40:19.96 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
264 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:40:29.01 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
265 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:40:37.59 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
266 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:40:46.08 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
267 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:40:53.73 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
268 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:41:02.40 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
269 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:41:10.09 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
270 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:41:17.09 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
271 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:41:43.86 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
272 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:41:49.17 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
273 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:41:56.22 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
274 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:42:03.37 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
275 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:42:52.11 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
276 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:42:58.28 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
277 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:43:06.84 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
278 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:43:15.72 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
279 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:43:25.94 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
280 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:43:35.66 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
281 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:43:49.40 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
282 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:43:59.73 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
283 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:44:08.68 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
284 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:44:18.63 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
285 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:44:29.16 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
286 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:44:38.36 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
287 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:44:47.25 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
288 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:44:57.37 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
289 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:45:06.53 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
290 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:45:15.05 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
291 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:45:24.08 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
292 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:45:33.10 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
293 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:45:41.00 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
294 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:45:49.04 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
295 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:45:59.55 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
296 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:46:07.60 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
297 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:46:17.02 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
298 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:46:26.10 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
299 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:46:34.96 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
300 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:46:41.97 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
301 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:46:50.11 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
302 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:46:57.75 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
303 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:47:52.36 ID:0MUIj9Mc.net 板復帰(OK!:Gather .dat file OK:moving DAT 583 -> 582:Get subject.txt OK:Check subject.txt 583 -> 583:Overwrite OK)1.19, 1.55, 1.56 age subject:583 dat:582 rebuild OK!
304 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:48:59.52 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
305 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:49:05.18 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
306 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:49:15.09 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
307 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:49:24.49 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
308 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:49:33.79 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
309 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:49:41.89 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
310 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:49:51.49 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
311 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:49:59.56 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
312 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:50:08.53 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
313 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:50:16.71 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
314 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:50:26.76 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
315 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:50:35.48 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
316 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:50:55.80 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
317 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:51:12.08 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
318 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:51:20.57 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
319 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:51:27.52 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
320 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:51:40.37 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
321 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:51:47.02 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
322 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:51:55.55 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
323 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:52:03.23 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
324 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:52:11.47 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
325 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:52:20.28 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
326 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:52:29.67 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
327 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:52:35.09 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
328 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:52:59.93 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
329 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:53:10.84 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
330 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:53:22.14 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
331 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:53:30.72 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
332 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:53:39.82 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
333 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:53:48.89 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
334 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:53:57.24 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
335 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:54:06.37 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
336 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:54:16.44 ID:syg9n9BA.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
337 :7分74秒 :2018/07/01(日) 10:54:23.44 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
338 :7分74秒 :2023/09/30(土) 21:18:29.54 ID:BlrF8iavR 要するに少子化対策ってのは本来であれば子なんか産んだら遺棄罪で逮捕懲役にされるべき貧乏人に子を産ませようという遺棄の幇助だろ 男は60代でも妊孕能あるが女は30才で妊娠困難,ひと昔前なら女学校時代に子を産んだり許嫁か゛いたり行き遅れとか言われたりと 女性の特性に合致した社会風土によって多くの子が作られていたわけだがそんな大事な時期を資本家階級の家畜にする目的で洗脳して 奇妙な社会的圧迫を加えて子を産めなくしてるのが最大原因た゛が更に子供手当だのと憲法の下の平等すら無視した社會的歪みを加えて 余裕があるから子を作るという真っ当な家庭の子が10万のiРhone(笑〕とか持ってて私は買ってもらえないから始まって公明党斉藤鉄夫 国土破壊省によるクソ航空騷音に勉強妨害されて精神的圧迫、路上で幸せそうな親子に斬りつけた不幸Jсみたいのを増やそうとか 奨学金ガーなんてミニバン飲酒運転して事故って死んでる某大生とか典型だがそいつらに遊ぶ金くれてやることに何の意味か゛あるんだか やることなすことすへ゛てがてめえの私利私欲のために賄賂癒着してる資本家階級の利益を追求してるだけなのがバレバレだろ (羽田)тtps://www.call4.jp/info.php?type=iTems&id=I0000062 , ttps://haneda-projeСT.jimdofree.com/ 〔成田)ttps://n-souonhigaisosyoudan.amebaownd.Com/ (テロ組織)ttps://i.imgur.com/hnli1ga.jpeg
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