☆ 宇多田ヒカル ★
1 :7分74秒 :2014/01/03(金) 21:18:10.91 ID:odVVgsUr.net 割とマジメに語ってください。
2 :7分74秒 :2014/01/05(日) 00:08:11.46 ID:iS+l8PJF.net 作品も声も顔も性格も好きじゃないけど、エヴァの主題歌だけは良かったと思う。
3 :7分74秒 :2014/01/05(日) 09:43:17.89 ID:I4z3+dg5.net 母ちゃんのお骨は何処に散骨したんですか?
4 :7分74秒 :2014/01/11(土) 18:58:07.88 ID:xAmporzK.net プレイ・ボール
5 :7分74秒 :2014/01/12(日) 15:17:14.91 ID:J93djVj1.net taking my money back
6 :7分74秒 :2014/01/13(月) 16:54:30.30 ID:r+T1Q6aU.net 光
7 :7分74秒 :2014/01/14(火) 21:36:34.34 ID:kY33iMq0.net ケツの穴からちょっとずつ漏れ出てくる腸液を 竹のベラで脱落した組織ごと掬いとって 楽天で買ったレバーに塗って喰うとオリモノの味がする すげぇ興奮する
8 :7分74秒 :2014/01/18(土) 15:02:19.68 ID:kRQWfHCu.net Never Let Go
9 :7分74秒 :2014/01/19(日) 15:04:45.73 ID:Qgl8f7bT.net Letters
10 :7分74秒 :2014/01/21(火) 19:09:52.41 ID:OEQLZlPw.net Flavor Of Life
11 :7分74秒 :2014/01/25(土) 17:10:03.03 ID:K7xtuzP+.net on and on
12 :7分74秒 :2014/02/02(日) 12:46:31.13 ID:lqWU5niF.net 光
13 :7分74秒 :2014/02/03(月) 18:53:33.14 ID:/kyfHWFP.net オワコン宇多田ヒカルが結婚とはイタリアっ
14 :7分74秒 :2014/02/07(金) 19:41:05.30 ID:2hsuuWyU.net Blue
15 :7分74秒 :2014/02/08(土) 13:23:39.78 ID:JEERW20u.net HEART STATION
16 :7分74秒 :2014/02/08(土) 19:32:54.89 ID:+aSQ4qKw.net ★新@桜流し 宇多田ヒカル クラシック調 グランドピアノ編曲および演奏 https://www.youtube.com/watch?v=-3LAp1kgbYg ※宇多田さんの為にグランドピアノで編曲し演奏しました。C.Pianoman
17 :藤"キチガイ"圭子 :2014/02/09(日) 13:28:10.35 ID:Yj5s/QAy.net 新アルバム「 ホワイトウォナビー 」の緊急発売が決定! 先行シングル「 イエローキャブ 」には浜崎あゆみがゲスト参加 買ってね〜
18 :7分74秒 :2014/02/11(火) 10:46:41.36 ID:UYpYVMY4.net FINAL DISTANCE
19 :7分74秒 :2014/02/14(金) 19:31:53.81 ID:/LUtuSFE.net Another Chance
20 :7分74秒 :2014/02/15(土) 19:10:56.10 ID:vNKHpj2s.net Deep River
21 :7分74秒 :2014/02/16(日) 14:14:21.16 ID:Vpwlojfo.net 俺が10代の頃は宇多田ヒカルなんか全然興味なかったな おっぱい、とにかくおっぱいで寝ても覚めてもおっぱい もう生で見たくて触りたくて揉みたくてちゅうちゅう吸いたくて 夜中に布団の中で「もみてぇよ・・・おっぱいもみてぇよ・・・」って 涙ボロボロ流しながら過ごした日もあったくらいなのに
22 :7分74秒 :2014/02/16(日) 15:27:26.13 ID:UZcqxvzt.net サングラス
23 :7分74秒 :2014/02/22(土) 14:58:36.25 ID:EPUnj0NQ.net Stay Gold
24 :7分74秒 :2014/02/22(土) 16:42:38.90 ID:F0gIdkf/.net >インターネット掲示板「2ちゃんねる」の元管理人・西村博之氏(36)が、 同掲示板を管理・運営する権利を海外法人へ「譲渡した」と公表した2009年以降も、 同掲示板の広告収入約3億5000万円を受け取っていたことが関係者の話で分かった。 西村氏はうち約1億円について、東京国税局から申告漏れを指摘されたという。 譲渡後も同掲示板と密接な関係だったことが、金銭面から裏付けられた。(中略) (2013年8月24日07時24分 読売新聞) ↑ 去年こんな報道があった以上、今回の管理人が変わった説も素直に信じる一般人は居ないでしょ。 西村政権が崩壊したことにして実態は変わらず、続く・・・?
25 :7分74秒 :2014/02/23(日) 14:01:49.33 ID:Y5uIczxX.net colors
26 :7分74秒 :2014/02/28(金) 19:20:49.38 ID:uClO6gum.net テイク5
27 :7分74秒 :2014/03/02(日) 13:00:47.24 ID:VvUF43s4.net This Is Love
28 :7分74秒 :2014/03/06(木) 19:15:58.35 ID:tJZItGnZ.net Letters
29 :7分74秒 :2014/03/15(土) 13:34:04.51 ID:IGDXVxXh.net 嘘みたいなI Love You
30 :7分74秒 :2014/03/16(日) 12:36:47.39 ID:YenCN7js.net サングラス
31 :7分74秒 :2014/03/19(水) 06:11:12.13 ID:2oS0TqJa.net 宇多田ヒカルFM最終回(日刊スポーツ) - Y!ニュース http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140319-00000001-nksports-ent 宇多田は冒頭、「決してインターFMさんに『この野郎、何回も番組を飛ばしやがって』と怒られてクビになったわけではなく、 丸1年がたってそろそろおいとましようかと思った次第です」と説明した。 最後には、「少しでも聞いてくださったみなさまに感謝の気持ちを伝えたいです。やれてよかったです。本当にありがとうございました」と話しつつ、 日本のラジオについて「今後ラジオが放送後に一定期間聴けるとか、ポッドキャストにして曲もかけられるとか、ポジティブな変化が進んでいくといいな。 ラジオと現代の生活スタイルとか、他のメディアを結びつける何かがあるといい」と提言した。
32 :7分74秒 :2014/03/21(金) 16:27:27.41 ID:pbVb9fg0.net 嘘みたいなI Love You
33 :7分74秒 :2014/03/23(日) 15:25:21.57 ID:5lJQqXKk.net 誰かの願いが叶うころ
34 :名無し :2014/03/23(日) 22:22:35.60 ID:jQ6xr2hZ.net 川内原発が再稼働するって? 福島の二の舞にならない? 2007年に大地震(鹿児島県北西部地震M6)が起きてるんだが再稼働でいいのか? 美人ジャーナリストが訴える川内原発再稼働反対 https://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=FJUn_a4eznU#t=7
35 :7分74秒 :2014/03/27(木) 07:46:15.96 ID:94jeKj7F.net 宇多田 ヒカルさんの曲は、聴きやすくて、すんなり受け入れられる。 今聞いても、どの曲も好き。 ピアノだけのバージョンで聴いても「いいなー」って思う。 売れてお金いっぱいあっても、贅沢に走らない所が好き。 高価なブランドや貴金属で着飾らない人 身の丈を知ってる賢さが好き。 ちょっと失敗しちゃう所も好き。 歌なら「光」が好き。大好き。
36 :7分74秒 :2014/03/27(木) 21:06:10.55 ID:d/JPoqzO.net 多分ゴーストが複数いると思う 4thから急に路線が変わったこと 活動休止も、ゴーストとの契約がらみで何かトラブルがあったとみた
37 :7分74秒 :2014/03/30(日) 13:23:45.62 ID:wXVcgZ3v.net 近付きたいよ君の理想に
38 :7分74秒 :2014/03/31(月) 20:00:20.43 ID:PDPpOFRD.net >>36 ずっと同じ音楽性でいるアーティストの方が少ないよ。 変化していくのが普通だよ。
39 :7分74秒 :2014/03/31(月) 22:41:56.46 ID:1o2e849N.net >売れてお金いっぱいあっても、贅沢に走らない所が好き。 ヒカルの父親が浪費している。 >高価なブランドや貴金属で着飾らない人 美的センスがないだけw
40 :7分74秒 :2014/04/06(日) 13:41:40.99 ID:F2OLo01m.net 貴方が現れたあの日から
41 :7分74秒 :2014/04/11(金) 16:28:39.41 ID:rWyp9WUF.net 久々に書き込みができた訳だが、2ちゃんねるは一体どうなっているんだ?
42 :7分74秒 :2014/04/13(日) 13:25:00.64 ID:7Q1y+2dk.net Goodbye Happiness
43 :7分74秒 :2014/04/13(日) 15:17:56.30 ID:c/2d/CT3.net このまま音楽界から消えていくのか?
44 :7分74秒 :2014/04/27(日) 14:45:24.00 ID:sD1/uBF1.net Letters
45 :7分74秒 :2014/04/29(火) 09:56:59.15 ID:rDXgyYgL.net Show Me Love
46 :7分74秒 :2014/05/04(日) 13:18:28.30 ID:/b2lFn2V.net Never Let Go
47 :7分74秒 :2014/05/05(月) 18:49:34.51 ID:0qbVs1aw.net テイク5
48 :7分74秒 :2014/05/05(月) 19:11:23.69 ID:DQPpqC1Y.net makeing goog thing better
49 :7分74秒 :2014/05/11(日) 17:59:52.78 ID:U5uUSthl.net Celebrate
50 :7分74秒 :2014/05/13(火) 13:18:16.13 ID:Tgm/dt8A.net この人、いつも事務所がイメージ保つのに必死だよな 暗い話題のあとに必ず結婚する
51 :7分74秒 :2014/05/13(火) 13:20:09.58 ID:Tgm/dt8A.net 今時、結婚に憧れるのなんて若い人だけだよ 結婚なんて毎日修行みたいなもんだぞ〜?
52 :7分74秒 :2014/05/17(土) 15:19:45.41 ID:sLwBxZbS.net Keep Tryin'
53 :7分74秒 :2014/05/19(月) 22:16:14.53 ID:EH4MrgX6.net 自分の母親のしを遺書で持ち上げた鬼畜畜生宇多田ヒカル
54 :まるまる :2014/05/23(金) 10:57:50.80 ID:QURnXWeQ.net http://waction.net/meikyoku/%e5%ae%87%e5%a4%9a%e7%94%b0%e3%83%92%e3%82%ab%e3%83%ab/ ここ便利ランキングで名曲きめれる。
55 :7分74秒 :2014/05/25(日) 13:18:14.00 ID:va1xrsc/.net Movin' on Without You
56 :7分74秒 :2014/05/26(月) 10:12:20.49 ID:se4uYqFV.net >>50 負けず嫌いだよな
57 :7分74秒 :2014/06/01(日) 11:08:17.10 ID:OJFi5Gni.net サングラス
58 :早稲田住友商事 :2014/06/01(日) 16:58:36.50 ID:/GKpotgY.net 東京電機大学中学校評判 http://tn.en.fishki.net/26/upload/en/201406/01/1273947/fafto363.jpg 東京電機大学中学校評判
59 :7分74秒 :2014/06/22(日) 13:33:13.07 ID:gODWbm0w.net Never Let Go
60 :7分74秒 :2014/07/12(土) 11:24:55.01 ID:93lM6v/i.net Flavor Of Life
61 :7分74秒 :2014/07/20(日) 22:30:58.08 ID:8j+yxz1e.net http://www.ustream.tv/recorded/49568481
62 :7分74秒 :2014/07/26(土) 14:59:28.22 ID:pH5v+NbN.net For You
63 :7分74秒 :2014/08/02(土) 14:01:20.48 ID:ZKkbUoq0.net A.S.A.P.
64 :7分74秒 :2014/08/16(土) 10:40:11.12 ID:RAa5bhCf.net FINAL DISTANCE
65 :7分74秒 :2014/08/30(土) 13:12:30.27 ID:yYGOAsfA.net 誰かの願いが叶うころ
66 :7分74秒 :2014/09/10(水) 15:36:36.35 ID:NDfJbDLe.net Making Love
67 :7分74秒 :2014/09/13(土) 15:38:27.14 ID:o78BaTg5.net Movin' on Without You
68 :7分74秒 :2014/09/28(日) 14:30:36.65 ID:7VioYdiZ.net Blue
69 :糖質ですが ◆/dRpTBnZTC3y :2014/11/05(水) 17:20:33.83 ID:SGrCMWbj.net 情熱・スピノザと汎神論。 http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/1325367/439553/96866753
70 :糖質ですが ◆/dRpTBnZTC3y :2014/11/05(水) 17:21:22.07 ID:SGrCMWbj.net 自然法と法の支配。 垂加神道~スタンフォードとJPOP の出会い。 http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/1325367/439553/95871428 群れの主とは何か~人間行動学 http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/1325367/439553/95896725?#_=_ 深い「道徳」の話 http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/1325367/439553/95933027?#_=_ カントの道徳哲学。 http://app.f.m-cocolog.jp/t/typecast/1325367/439553/96587885
71 :糖質ですが ◆/dRpTBnZTC3y :2014/11/05(水) 17:21:47.58 ID:SGrCMWbj.net 新自由主義と自然法。宇多田ヒカルの世界。 宇多田ヒカル - Prisoner Of Love: http://youtu.be/W6QjKT1A2pI
72 :あぼーん :あぼーん あぼーん
73 :7分74秒 :2015/01/03(土) 16:41:09.35 ID:Df0FhEvS.net 日曜の朝
74 :7分74秒 :2015/01/11(日) 18:52:13.37 ID:5ZEzblwg.net 宇多田ヒカルは好きでも嫌いでもないけど、頭は良いって感じる あと使ってる機材のセンスが渋い
75 :7分74秒 :2015/01/12(月) 16:34:49.70 ID:nmvycgWZ.net Apple and Cinnamon
76 :7分74秒 :2015/01/13(火) 00:45:36.40 ID:Cmqsq4O/.net >>74 前はそう思ってたけどTwitterやり出してからはそうでもないんじゃないかと思うようになった
77 :7分74秒 :2015/01/17(土) 07:44:40.79 ID:jhylsVfo.net クマパワーアワー肝心の選曲はつまらんかったけど 英語のトーク部分はうっとり聴き入ってしまいました
78 :7分74秒 :2015/01/17(土) 12:54:22.95 ID:/9ISnMou.net >>74 Logicは7だったけど、さすがにXに変えたのかな? MOTU使ってるのはかっこいいな
79 :7分74秒 :2015/01/18(日) 14:47:05.60 ID:lVfJg4ym.net Logicに入れてる音源ソフトが気になる
80 :7分74秒 :2015/01/19(月) 15:02:56.21 ID:RHC1O44u.net Logic Xは何であんな暗いデザインになったんだろうね 高級感を出そうとして失敗しちゃった感じ
81 :7分74秒 :2015/01/21(水) 00:26:36.23 ID:m7cmY3Ht.net 読書家っぽいのは好感持てる
82 :7分74秒 :2015/01/22(木) 21:43:29.17 ID:GrU1VCKO.net ヒカル、お誕生日おめでとう ごきげんよう
83 :7分74秒 :2015/01/22(木) 21:44:20.94 ID:GrU1VCKO.net 熱血硬派くにおくん より
84 :7分74秒 :2015/01/23(金) 01:49:36.81 ID:BgK+5SDJ.net 自分の中でutadaさんとキムカーダシアン?のファッションがカブる ストリート感の無い黒ずくめセレブコンサバファッション utadaさん…お願いそっち行かないで…
85 :7分74秒 :2015/01/28(水) 09:41:32.95 ID:hN/9RcmW.net ヒカルは暇なら宗教でもやってみたらいいと思う もちろんこれまでにも色々勧誘されただろうから警戒感があるだろうけど 悟りを開こうとすればそれこそ一生かけても無理だし、むしろ人生が短く感じるかもしれん それに歩んでいくうちに必ず倦怠期のような中だるみになる時期があるので、 始めるのは若ければ若いほどいい お金と時間に余裕がある人なら信仰持つのはすごく良い気がする まぁ日本だといかがわしい宗教まがいの団体も多くて「宗教なんかイラネ」となるのは無理もないかもね・・・ 仏教徒の俺としては仏教、出来れば密教系がオヌヌメですがイタリアならキリスト教でもいいじゃないかな
86 :7分74秒 :2015/01/29(木) 22:26:59.93 ID:/OjueMeB.net 科学と宗教は両立するけど、芸術と宗教は両立しない
87 :7分74秒 :2015/01/30(金) 19:43:06.78 ID:SL5Mtg1+.net 日本の仏教でいえば法隆寺のように世界最古の木造建築だとか、 その中にお祀りする仏像は彫刻だし、雪舟さんのように僧侶が水墨画や宗教画を描いたりする もちろんそれはキリスト教やイスラム教や他の宗教でも同じで、 寺院や大聖堂やモスクも当時の建築技術の粋を集めて作られるし、彫刻や絵画で華やかに装飾されたりする しかも全ての宗教は聖歌やゴスペルだったりコーランや声明のように宗教音楽が必ず奏でられる むしろ宗教こそ総合芸術と言ってもいいんじゃないかと思う
88 :7分74秒 :2015/01/31(土) 09:05:12.35 ID:5at+tUVy.net そんなん昔の話やろ... 今の宗教と比べちゃあかんやろ
89 :7分74秒 :2015/02/01(日) 13:00:11.40 ID:8PSJEWO8.net taking my money back
90 :7分74秒 :2015/02/04(水) 02:07:21.31 ID:4qcszKUg.net どぉぉ〜〜でもえぇ〜事をやたら大仰に語るのやめたらいいのに。
91 :7分74秒 :2015/02/06(金) 01:52:48.68 ID:UZ5Tuqfz.net calors
92 :7分74秒 :2015/02/08(日) 13:04:28.34 ID:PYAFtOuF.net FINAL DISTANCE
93 :7分74秒 :2015/02/21(土) 17:46:30.30 ID:ZBZxnyl9.net Kiss&Cry
94 :7分74秒 :2015/02/21(土) 17:47:54.93 ID:ZBZxnyl9.net Prisoner Of Love
95 :7分74秒 :2015/03/01(日) 00:17:18.65 ID:xYr0upWx.net colors(2006年liveバ〜ジョン)が素敵。声の出し方もね、 掠れてたり不安定に震えてる感じがね、カッチョ良くてタマランのです。 誰かの願いが叶う頃 も良かった。 しかし…髪型と…お洋服のセンスは…残念…だった…。
96 :7分74秒 :2015/03/01(日) 14:59:35.85 ID:KpBf5plp.net Apple and Cinnamon
97 :7分74秒 :2015/03/03(火) 20:26:06.01 ID:TQDjUvcz.net だべ子はどこにいるの?
98 :7分74秒 :2015/03/07(土) 16:59:20.57 ID:/88jzT7/.net タイム・リミット
99 :靖国参拝、皇族、国旗国歌、神社神道を異常に嫌うカルト :2015/03/10(火) 20:32:36.53 ID:/eeOxAys.net ★マインドコントロールの手法★ ・沢山の人が偏った意見を一貫して支持する 偏った意見でも、集団の中でその意見が信じられていれば、自分の考え方は間違っているのか、等と思わせる手法 ・不利な質問をさせなくしたり、不利な質問には答えない、スルーする 誰にも質問や反論をさせないことにより、誰もが皆、疑いなど無いんだと信じ込ませる手法 偏った思想や考え方に染まっていたり、常識が通じない人間は、頭が悪いフリをしているカルト工作員の可能性が高い 10人に一人はカルトか外国人 「ガスライティング」で検索を!....
100 :7分74秒 :2015/03/14(土) 17:48:16.67 ID:eY8Y4tmN.net Automatic
101 :7分74秒 :2015/03/21(土) 17:09:46.59 ID:pL3YkWan.net Be My Last
102 :7分74秒 :2015/03/28(土) 17:38:28.60 ID:knymULeS.net This Is Love
103 :7分74秒 :2015/04/05(日) 12:39:28.24 ID:tytBEeuP.net Letters
104 :7分74秒 :2015/04/12(日) 14:42:21.93 ID:wpDi3/mg.net 日曜の朝
105 :7分74秒 :2015/04/24(金) 22:55:15.88 ID:kJhXq0I5.net 桜流し
106 :7分74秒 :2015/04/26(日) 16:31:25.96 ID:uKebcfht.net タイム・リミット
107 :7分74秒 :2015/04/26(日) 21:39:46.02 ID:Hh3O0zo+.net ぐっばいはぴねす
108 :7分74秒 :2015/04/29(水) 16:28:26.01 ID:xbqr7LZt.net Prisoner Of Love
109 :7分74秒 :2015/05/04(月) 13:33:08.65 ID:ARTesQl4.net taking my money back
110 :7分74秒 :2015/05/06(水) 13:33:02.66 ID:HI+X1L4r.net Letters
111 :7分74秒 :2015/05/10(日) 13:29:46.48 ID:9cxxY4xH.net Show Me Love
112 :7分74秒 :2015/05/17(日) 16:17:49.69 ID:wxzFSDjB.net Be My Last
113 :7分74秒 :2015/05/24(日) 14:32:12.29 ID:o6CHWd4S.net Letters
114 :7分74秒 :2015/06/07(日) 12:51:05.22 ID:OtcAykaI.net colors
115 :7分74秒 :2015/06/20(土) 16:58:55.36 ID:2fipEe7y.net 蹴っ飛ばせ!
116 :7分74秒 :2015/06/26(金) 20:45:10.20 ID:yuuYnkTU.net ぼくはくまとか変拍子とかけっこう高度なことやってると思う。
117 :7分74秒 :2015/06/27(土) 13:11:10.61 ID:Wukg0GIw.net on and on
118 :7分74秒 :2015/07/03(金) 03:17:30.67 ID:BlUFdRaw.net ヒッキー、赤ちゃん、おめでとうございます。
119 :7分74秒 :2015/07/03(金) 19:49:27.31 ID:Iu5N1p8Q.net ぶっちゃけこの人の価値って英語喋れて歌が上手い事しかないと思うんだけど 外国行けば…英語出来て当たり前、ガキでも歌上手い、リズム感抜群、おまけに弁も立つ 宇多田さんそろそろ本気出しましょうよ!
120 :7分74秒 :2015/07/04(土) 06:31:38.68 ID:3Xo2UQkr.net >>40 この文字見るだけで、胸がギュッとなるし、聴き手側のそれぞれの“あなた”が存在する。
121 :7分74秒 :2015/07/04(土) 17:32:26.18 ID:DAx5TJ7M.net Addicted to You
122 :7分74秒 :2015/07/04(土) 22:53:50.79 ID:iep9B6pT.net >>50 というよりメンヘラなんだと思う。 辛いときに側にいた人を好きになって後先考えず結婚してしまう
123 :7分74秒 :2015/07/05(日) 17:14:34.36 ID:NZaq5rHp.net Making Love
124 :7分74秒 :2015/07/05(日) 23:22:48.92 ID:P98uFu55.net ヒカル出産おめでとう*\(^o^)/* これでヒカルも復活して、これからどんな風に変わるか楽しみじゃ‼︎
125 :7分74秒 :2015/07/06(月) 08:01:50.04 ID:9qOraE1S.net 息子は空馬ですか公甘ですかくうまですか
126 :7分74秒 :2015/07/12(日) 14:19:45.78 ID:++gr7SLc.net Fight The Blues
127 :7分74秒 :2015/07/18(土) 10:56:34.89 ID:81GjcUpb.net 誰かの願いが叶うころ
128 :7分74秒 :2015/07/19(日) 15:14:24.38 ID:Qk4b38AE.net Stay Gold
129 :7分74秒 :2015/07/21(火) 14:33:07.03 ID:mTzjgmVj.net Kiss&Cry
130 :7分74秒 :2015/07/25(土) 13:07:15.22 ID:aV59pPYI.net First Love
131 :7分74秒 :2015/07/25(土) 13:18:55.29 ID:aV59pPYI.net Another Chance
132 :7分74秒 :2015/08/01(土) 09:45:57.22 ID:gLlR/z8t.net Addicted to You
133 :7分74秒 :2015/08/07(金) 20:39:29.86 ID:qUcPgJ3o.net ヒッキーと同じソニーのヘッドフォン買ったよ♪
134 :7分74秒 :2015/08/08(土) 13:51:13.11 ID:SkWBOT7Z.net Prisoner Of Love
135 :7分74秒 :2015/08/09(日) 12:54:09.62 ID:j+6a/8L9.net 嵐の女神
136 :7分74秒 :2015/08/11(火) 01:07:13.99 ID:a+fdAgzT.net >>133 詳しく教えてください
137 :7分74秒 :2015/08/15(土) 16:46:04.66 ID:52HhRYrv.net 誰かの願いが叶うころ
138 :7分74秒 :2015/08/15(土) 19:15:21.57 ID:4GdrXi1h.net >>136 sony MDR7506だよ 自宅での作曲用にずっと愛用しているそう
139 :7分74秒 :2015/08/22(土) 15:58:34.01 ID:ggGOujU6.net This Is Love
140 :7分74秒 :2015/08/22(土) 18:47:05.87 ID:Mg4ON+N+.net >>138 どうもありがとうございます。
141 :7分74秒 :2015/08/23(日) 11:26:37.32 ID:MFThyOgK.net Another Chance
142 :7分74秒 :2015/08/29(土) 13:18:11.89 ID:yHGphvHr.net Be My Last
143 :7分74秒 :2015/09/05(土) 00:03:27.45 ID:Mz+DN9xv.net 良スレ
144 :7分74秒 :2015/09/05(土) 14:54:12.16 ID:ZliJwc/6.net Making Love
145 :7分74秒 :2015/09/06(日) 13:33:48.01 ID:7bUMCtfn.net Wait & Seeリスク
146 :7分74秒 :2015/09/12(土) 14:01:19.21 ID://+bXfTB.net テイク5
147 :7分74秒 :2015/09/13(日) 10:26:34.68 ID:DDuJLC7C.net Another Chance
148 :7分74秒 :2015/09/18(金) 23:03:57.56 ID:IeO41mxk.net ファンの1人としては日本以外の国で活躍してほしいです 英語圏に住んでるんだしそれが自然な流れでは? 日本は…もういいっしょ笑
149 :7分74秒 :2015/09/19(土) 07:39:42.03 ID:Ka9zvaGM.net 挑戦してダメだったじゃん
150 :7分74秒 :2015/09/19(土) 16:06:23.59 ID:xVjaO//P.net Goodbye Happiness
151 :7分74秒 :2015/09/22(火) 13:35:56.69 ID:s7VCltyo.net Making Love
152 :7分74秒 :2015/09/27(日) 13:50:17.24 ID:Q3DzCT/N.net taking my money back
153 :7分74秒 :2015/10/03(土) 13:16:16.55 ID:oieekAJN.net wings
154 :7分74秒 :2015/10/10(土) 15:47:59.26 ID:v4vgJI3/.net FINAL DISTANCE
155 :7分74秒 :2015/10/10(土) 15:54:21.60 ID:v4vgJI3/.net THIS ONE
156 :7分74秒 :2015/10/11(日) 13:49:16.53 ID:BiPQwJgi.net http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1278425657
157 :7分74秒 :2015/10/12(月) 14:27:37.91 ID:KSqoPKd6.net Prisoner Of Love
158 :7分74秒 :2015/10/16(金) 19:55:15.26 ID:AV9j4Dky.net ☆ 日本の核武装は早急に必須ですわ。☆ 総務省の『憲法改正国民投票法』、でググってみてください。 日本国民の皆様方、2016年7月の『第24回 参議院選挙』で、日本人の悲願である 改憲の成就が決まります。皆様方、必ず投票に自ら足を運んでください。お願い致します。
159 :7分74秒 :2015/10/25(日) 12:59:36.85 ID:5aTfN9lq.net 嘘みたいなI Love You
160 :7分74秒 :2015/11/03(火) 12:20:36.33 ID:c9OFmM/m.net Passion
161 :7分74秒 :2015/11/08(日) 12:25:02.52 ID:8gMk/G7S.net FINAL DISTANCE
162 :7分74秒 :2015/11/14(土) 14:19:28.07 ID:usq7XXFl.net Kiss&Cry
163 :7分74秒 :2015/11/28(土) 12:36:27.71 ID:XxYkAx2P.net Never Let Go
164 :7分74秒 :2015/11/29(日) 17:28:32.36 ID:6a6ttdmm.net Apple and Cinnamon
165 :7分74秒 :2015/12/13(日) 10:57:55.81 ID:8d9r10u9.net Goodbye Happiness
166 :7分74秒 :2015/12/19(土) 13:41:02.43 ID:CsT1YG7l.net Traveling
167 :7分74秒 :2016/01/03(日) 15:10:28.25 ID:BxROS3Oq.net First Love
168 :7分74秒 :2016/01/11(月) 15:10:15.07 ID:e6zjDZuE.net FINAL DISTANCE
169 :7分74秒 :2016/01/16(土) 15:55:51.58 ID:pGwOgLtc.net THIS ONE
170 :7分74秒 :2016/01/31(日) 12:30:10.94 ID:lLMtoQTd.net Apple and Cinnamon
171 :7分74秒 :2016/02/03(水) 00:09:17.63 ID:OME1dmEk.net /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::://ヽ:::::::::::::::| l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::// ヽ::::::::::::::l l:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/:::「'ヽ:::::::::::// ヽ:::::::::::| |::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ノl:::ノ l:::::::/ ヽ::::::::| ノ:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ゙゙ ノ:::/ ,,;;;;;;,, ,,,,ヽ:::::l ):::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/ ノ/ __,'''i: ('''__):::l )::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/  ̄ ̄ン:. :「 ̄`ヾ 1:::::::::::::::::::::::「 `┤l:::::::::::::::::l  ̄ , ヽ ̄ l `l:::::::::::::::::::::ヽ :l li:::::::::::::/ /´ `l | <ヴッ!!! ヽ::::::::::::::::::::::\_」 lヽ::::/ !:-●,__ ノ / ノ:::::::::::::::::::::::::::ノ | l `゙゙ ,,;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;, /ヽ ,/ ヽ::::::::::::::::::::::( l l::::::::.. /.:''/´ ̄_ソ / `ヽ ヽ:::::::::::::::ヽ | l:::::::::::... /::// ̄ ̄_ソ / \ ヽ:::::::\| l::::::::::::::::... / :::.ゝ` ̄ ̄/ / ヽ ヽ:::l l:::::::::::::::::::..  ̄ ̄;;'' / ヽ l l;;;;;;:::::::::::::::.....;;;;............;;;;;;''ノ l l l '''''''''''''''''''''''''''''''''''''' ̄l | | https://www.youtube.com/watch?v=dFj6B-dIKY8
172 :7分74秒 :2016/02/07(日) 10:43:54.73 ID:wYtBZZ6o.net 誰かの願いが叶うころ
173 :7分74秒 :2016/02/11(木) 13:01:48.05 ID:ToVl9OWB.net First Love
174 :7分74秒 :2016/02/13(土) 14:28:32.95 ID:DnSYsz9C.net 誰かの願いが叶うころ
175 :7分74秒 :2016/02/14(日) 11:43:32.08 ID:eB2OmHRc.net Goodbye Happiness
176 :7分74秒 :2016/02/25(木) 13:22:03.98 ID:6mnDCPK0.net on and on
177 :7分74秒 :2016/02/26(金) 02:16:17.26 ID:KcE8fdCN.net ありがとう、と君に言われるとなんだか切ない
178 :7分74秒 :2016/02/28(日) 12:52:54.08 ID:AEXsVUMe.net 嘘みたいなI Love You
179 :7分74秒 :2016/03/06(日) 04:44:57.38 ID:l303xN7b.net 新宿の女
180 :7分74秒 :2016/03/06(日) 10:16:13.46 ID:tMNLjaX3.net For You
181 :7分74秒 :2016/03/09(水) 08:42:25.90 ID:nFC0X7sH.net くまくまくま
182 :7分74秒 :2016/03/13(日) 12:02:40.15 ID:H+8XFKSv.net For You
183 :7分74秒 :2016/03/18(金) 08:02:12.06 ID:uNCqWLPB.net 語れ
184 :7分74秒 :2016/03/21(月) 11:15:27.30 ID:KLzRzeXv.net Apple and Cinnamon
185 :7分74秒 :2016/04/01(金) 00:33:58.66 ID:KRSfOyBZ.net 語れ
186 :7分74秒 :2016/04/03(日) 11:16:37.44 ID:kjXVZIKN.net THIS ONE
187 :7分74秒 :2016/04/03(日) 12:32:07.25 ID:oAqcXmRJ.net いよいよ明日
188 :7分74秒 :2016/04/09(土) 06:46:31.48 ID:zRvCc48M.net オワコン
189 :7分74秒 :2016/04/09(土) 13:09:36.75 ID:GZOLQYuP.net FINAL DISTANCE
190 :7分74秒 :2016/04/12(火) 16:04:09.78 ID:qru2RRFy.net 新宿の女
191 :7分74秒 :2016/04/17(日) 10:09:03.17 ID:TN8ugGD6.net Can’t Wait ‘Til Christmas
192 :7分74秒 :2016/04/17(日) 19:04:48.75 ID:tcuvF+xn.net シティーハンター
193 :7分74秒 :2016/04/24(日) 19:44:26.32 ID:r83EVaRE.net 酒井若菜は歯を抜きました。
194 :7分74秒 :2016/05/02(月) 12:43:09.78 ID:cCAPCHQU.net 紀里谷和明
195 :7分74秒 :2016/05/04(水) 11:46:03.46 ID:juAR0UW2.net Another Chance
196 :7分74秒 :2016/05/05(木) 16:13:57.18 ID:3/Hvlbnh.net colors
197 :7分74秒 :2016/05/07(土) 09:18:09.34 ID:xic6XJEv.net 宇多田照實
198 :7分74秒 :2016/05/08(日) 12:05:02.83 ID:meEVMlrK.net Goodbye Happiness
199 :7分74秒 :2016/05/11(水) 05:35:29.45 ID:WoE3uZ2H.net 上杉隆
200 :7分74秒 :2016/05/15(日) 10:04:07.61 ID:Z3N9qESK.net SAKURAドロップス
201 :7分74秒 :2016/06/18(土) 10:49:28.08 ID:PFpUVqBy.net Show Me Love
202 :7分74秒 :2016/06/19(日) 12:22:13.38 ID:aWLD4OZB.net Wings
203 :7分74秒 :2016/06/26(日) 16:34:16.29 ID:hjensjf2.net 良スレ
204 :7分74秒 :2016/07/08(金) 16:50:04.09 ID:exDB9mPC.net アルバム出るね
205 :名無し :2016/07/14(木) 00:49:38.90 ID:kKccUG45.net ピアノではバディネリは語りつくせない
206 :7分74秒 :2016/07/14(木) 13:45:50.41 ID:VTxUwH8m.net ホラッチョヒカル
207 :7分74秒 :2016/07/16(土) 12:52:26.12 ID:NYKPwREd.net Making Love
208 :7分74秒 :2016/07/17(日) 14:36:18.40 ID:p6fUiys9.net Show Me Love
209 :7分74秒 :2016/07/18(月) 12:55:46.78 ID:k4rdgJpU.net Be My Last
210 :7分74秒 :2016/07/30(土) 10:44:55.74 ID:qcvwRE+O.net Goodbye Happiness
211 :7分74秒 :2016/08/13(土) 12:47:20.23 ID:3VuGAWZM.net 誰かの願いが叶うころ
212 :7分74秒 :2016/08/17(水) 16:44:07.61 ID:2KakTndd.net flavor of lifeみたいな曲キボン
213 :7分74秒 :2016/08/20(土) 15:20:28.42 ID:n8fyvpp5.net Never Let Go
214 :7分74秒 :2016/08/27(土) 14:40:18.71 ID:I9eKqhro.net flavor of life
215 :7分74秒 :2016/08/28(日) 14:16:28.90 ID:gOzjz7qz.net For You
216 :7分74秒 :2016/09/04(日) 11:16:58.56 ID:5a9K3I5K.net flavor of life
217 :7分74秒 :2016/09/11(日) 13:44:45.33 ID:qPkf9G2E.net SAKURAドロップス
218 :7分74秒 :2016/09/19(月) 11:15:12.78 ID:PPRx7ygt.net Blue
219 :7分74秒 :2016/09/21(水) 12:15:59.46 ID:/OHS6suy.net https://www.youtube.com/watch?v=7Lvxy7oX5-A
220 :7分74秒 :2016/09/21(水) 12:16:48.85 ID:/OHS6suy.net https://www.youtube.com/watch?v=7Lvxy7oX5-A
221 :7分74秒 :2016/09/24(土) 17:20:53.38 ID:qlU6x9tc.net Stay Gold
222 :7分74秒 :2016/10/01(土) 16:27:30.53 ID:svwJg9c+.net Kiss&Cry
223 :sage :2016/10/02(日) 10:02:08.21 ID:V3Kj1+eH.net https://www.youtube.com/watch?v=NJYs5GTmdcg https://www.youtube.com/watch?v=tY-xyCbzdqY
224 :7分74秒 :2016/10/02(日) 16:44:50.57 ID:Go44xLIB.net 誰かの願いが叶うころ
225 :7分74秒 :2016/10/08(土) 13:39:41.45 ID:5AWbjIIM.net flavor of life
226 :7分74秒 :2016/10/10(月) 13:29:56.81 ID:cGau52om.net First Love
227 :7分74秒 :2016/10/15(土) 15:36:16.30 ID:bUI5xOtt.net Can’t Wait ‘Til Christmas
228 :7分74秒 :2016/10/16(日) 15:13:27.83 ID:6YkuoHoS.net Can You Keep a Secret?
229 :7分74秒 :2016/10/23(日) 15:16:00.94 ID:BRjE28he.net 幸せになろう
230 :7分74秒 :2016/10/24(月) 17:50:02.75 ID:v4m4LbAt.net Automatic
231 :7分74秒 :2016/10/30(日) 15:34:55.18 ID:52fu9pS8.net 幸せになろう
232 :7分74秒 :2016/11/05(土) 13:20:12.22 ID:2DQSz8D5.net Wait & Seeリスク
233 :7分74秒 :2016/11/06(日) 13:07:23.11 ID:k2zY0jFl.net Deep River
234 :7分74秒 :2016/11/12(土) 12:57:10.55 ID:dIk7kCWp.net Traveling
235 :7分74秒 :2016/11/19(土) 13:09:02.88 ID:3UQMDJ/x.net Celebrate
236 :7分74秒 :2016/11/20(日) 12:57:56.18 ID:VZrkfWkZ.net On and On
237 :7分74秒 :2016/11/27(日) 12:22:13.16 ID:i/Uh+YDl.net 光
238 :7分74秒 :2016/12/02(金) 01:03:31.85 ID:mnpxutSY.net 紅白で何歌うのかな
239 :7分74秒 :2016/12/02(金) 16:49:55.51 ID:sTe7C2La.net https://goo.gl/xqRAXH この記事の内容、本当だったら驚きだわ。。
240 :7分74秒 :2016/12/04(日) 17:02:31.21 ID:NycULRK/.net Be My Last
241 :7分74秒 :2016/12/10(土) 15:43:05.04 ID:MYtktCed.net flavor of life
242 :7分74秒 :2016/12/12(月) 12:52:17.91 ID:iFNhx9WT.net https://youtu.be/8fPmkq1CkCU https://youtu.be/PR6r40GbIfk
243 :7分74秒 :2016/12/12(月) 20:52:25.68 ID:+NH0VFl6.net can you keep a secret
244 :7分74秒 :2016/12/14(水) 18:47:16.80 ID:BAcuU+S4.net ブス過ぎる
245 :7分74秒 :2016/12/18(日) 10:07:40.66 ID:YO0S7DQa.net HEART STATION
246 :7分74秒 :2016/12/18(日) 10:08:17.33 ID:YO0S7DQa.net Be My Last
247 :7分74秒 :2016/12/24(土) 15:04:04.09 ID:MXddKE2l.net BLUE
248 :7分74秒 :2016/12/29(木) 19:19:08.74 ID:mH6htQIT.net あえてインストアルバムを聴いてみたい この人なら並のエレクトロニカのアーティストより ずっと良い作品が作れそう
249 :7分74秒 :2016/12/30(金) 10:14:40.49 ID:cnirs1cy.net https://youtu.be/7EekMD3GGHQ https://youtu.be/uH-WOOcNZ0s https://youtu.be/xHx5MbIGEoY
250 :7分74秒 :2016/12/30(金) 18:18:25.22 ID:vE5VkSBO.net For You
251 :7分74秒 :2016/12/31(土) 20:11:09.18 ID:5Xnk4aUC.net 豆 乳
252 :7分74秒 :2017/01/01(日) 14:27:06.32 ID:66RFaBwE.net DISTANCE
253 :7分74秒 :2017/01/01(日) 15:35:36.09 ID:yLyvAFYZ.net 椅子箪笥
254 :7分74秒 :2017/01/02(月) 16:38:48.57 ID:DlgIVSEj.net テイク5
255 :7分74秒 :2017/01/02(月) 19:57:08.38 ID:bPMtA3m/.net 体育(5限)
256 :7分74秒 :2017/01/04(水) 15:12:44.07 ID:Y4qDc0OW.net https://goo.gl/hiAKfw これはやばい。。これからどうすればいいのよ・・・
257 :7分74秒 :2017/01/14(土) 11:12:14.85 ID:EqJ7LXGl.net Colors
258 :名無しさん :2017/01/14(土) 17:50:36.38 ID:G2JGrqYN.net 無料誹謗中傷対策のブッダワークス http://www.buddha-works.net
259 :7分74秒 :2017/01/14(土) 18:50:00.36 ID:dUljL6XL.net https://youtu.be/quIHgwuF6r4
260 :7分74秒 :2017/01/15(日) 15:22:09.26 ID:sUmSYmoZ.net FINAL DISTANCE
261 :7分74秒 :2017/01/15(日) 20:36:26.48 ID:L8jPBp0/.net https://youtu.be/quIHgwuF6r4
262 :7分74秒 :2017/01/16(月) 16:27:19.86 ID:aur83WDO.net Goodby Happiness
263 :7分74秒 :2017/01/16(月) 18:18:29.19 ID:EJH9o8aO.net https://youtu.be/quIHgwuF6r4
264 :7分74秒 :2017/01/21(土) 17:40:58.50 ID:RiCLKH2J.net Simple and Clean
265 :7分74秒 :2017/01/21(土) 18:51:23.28 ID:1mTTXvws.net https://youtu.be/quIHgwuF6r4
266 :7分74秒 :2017/01/22(日) 09:27:02.68 ID:ubUlapOt.net おはよう
267 :7分74秒 :2017/01/30(月) 16:01:23.48 ID:gDWtNDLd.net THE BACK HORNと宇多田ヒカルの共同プロデュースによるニューシングル『あなたが待ってる』本日より全国ラジオ局、CS音楽チャンネルなどでオンエア解禁!普段お聞きのラジオ局・ご覧のテレビ局へ是非リクエストをお願いします! https://t.co/7Ztm9yPpBP
268 :7分74秒 :2017/02/01(水) 16:53:41.70 ID:A4AE3pTg.net (^-^)
269 :7分74秒 :2017/02/05(日) 14:37:16.83 ID:CjyGmaoA.net Prisoner Of Love
270 :7分74秒 :2017/02/08(水) 02:35:56.04 ID:6/o+8FZX.net 今でもKORG TRITON使ってるのかなぁ いいシンセだよね
271 :7分74秒 :2017/02/12(日) 14:01:49.98 ID:YDwgUgLb.net Apple and Cinnamon
272 :7分74秒 :2017/02/19(日) 11:11:24.52 ID:5vLNfZSw.net Heart Station
273 :7分74秒 :2017/02/25(土) 15:43:07.20 ID:2pjCYGLe.net Can You Keep a Secret?
274 :7分74秒 :2017/02/26(日) 13:30:34.55 ID:4rUDUPhl.net Fight The Blues
275 :7分74秒 :2017/03/04(土) 13:42:53.55 ID:IPsUN05G.net Can You Keep a Secret?
276 :7分74秒 :2017/03/05(日) 15:12:41.10 ID:I6iUjwFL.net Passion
277 :7分74秒 :2017/03/06(月) 16:11:50.81 ID:QqisGKbr.net https://goo.gl/Nximd0 この記事嘘でしょ? 本当だったらショック。。
278 :7分74秒 :2017/03/06(月) 16:22:30.44 ID:SQPSNmdg.net 附一:监考人员名单(具体考点另行通知) 语文科:李婉玲李清霞黄志群侯秋云黄鹏举李剑辉 戴振波侯碰梅尤传枝刘亚明李志聪侯丽梅 杨静珍周青黄志敏谢崇握李红梅姜雪 数学科:李紫悦黄丽萍李炎同刘朝霞黄赵戴培玉 (综合科)戴丽清戴超强戴延安李乌洋苏炳珠陈颜水 陈志忠黄瑞霞陈加水陈甫蓉陈桂林黄淑珠 附二:评卷人员名单 语文组:组长:陈春红 巡视:李斯迭 林绍蓉刘坚强李雪莲李昂戴伟昌陈小菊 陈春红李阿伟戴国民陈志敏黄定霞李斯曲 黄秀丽林永智 数学组:组长:李连梅 巡视:肖连发 李水成陈志墩吴秋月康秀华李润泽陈长灿 黄答福李桂玲黄建国戴惠萍戴燕清李双志 综合组:组长:陈炎坤 黄种凤李幼兰李瑞标陈志安刘家瑞陈幼兰
279 :7分74秒 :2017/03/11(土) 14:29:25.48 ID:acrES6KE.net Stay Gold
280 :7分74秒 :2017/03/18(土) 14:59:13.62 ID:a0KxpnOu.net DISTANCE
281 :7分74秒 :2017/03/18(土) 14:59:13.98 ID:a0KxpnOu.net DISTANCE
282 :7分74秒 :2017/03/26(日) 13:23:54.02 ID:CHuFhLE+.net 甘いワナ
283 :7分74秒 :2017/04/02(日) 12:40:15.71 ID:OSKKGdYg.net SAKURAドロップス
284 :7分74秒 :2017/04/08(土) 13:22:36.34 ID:JW2ep+cP.net Fight The Blues
285 :7分74秒 :2017/04/09(日) 15:25:05.41 ID:e2fUCH6V.net テイク5
286 :7分74秒 :2017/04/15(土) 12:03:21.56 ID:om8XYZfT.net wings
287 :7分74秒 :2017/04/20(木) 18:53:23.21 ID:A5lMr1jA.net https://goo.gl/fSbVMj これは嘘でしょ?本当だと嫌だなー。。
288 :7分74秒 :2017/04/23(日) 14:53:50.86 ID:LA7F+G1w.net 誰かの願いが叶うころ
289 :7分74秒 :2017/05/07(日) 14:53:22.34 ID:Clx7SXns.net Goodby Happiness
290 :7分74秒 :2017/06/03(土) 16:30:25.21 ID:fOcroqZB.net Making Love
291 :7分74秒 :2017/06/04(日) 14:36:16.22 ID:abGvDKpD.net 光
292 :7分74秒 :2017/06/30(金) 17:49:54.38 ID:Rj39shJ9.net いまだに生歌に自信がなくて、ライブをやらない偽物歌手 容姿も不細工でとてもこいつのオタが散々比較していた、本物歌手の倉木麻衣とは似てもにつかないな
293 :7分74秒 :2017/06/30(金) 18:42:05.95 ID:uI/IsQLN.net 倉木麻衣はないわw
294 :7分74秒 :2017/07/09(日) 16:40:19.73 ID:qRG1RnS0.net 倉木麻衣 大卒 性格良い ライブ回数数百回 最新CDシングル女性ソロ1位 ウタダ 大学中退(笑) ひねくれ者 ライブやる度胸無し(笑) CD出す度胸無し(笑)
295 :7分74秒 :2017/07/09(日) 17:16:32.31 ID:uuzu3Ntf.net 倉木麻衣なんか話題にも上らないやん 今何してんの?
296 :7分74秒 :2017/07/21(金) 01:05:05.22.net 宇多田よりよっぽど真っ当に歌手活動してるよ
297 :7分74秒 :2017/07/21(金) 01:35:32.23.net 全く話題になってないだろw
298 :7分74秒 :2017/07/22(土) 09:17:11.31 ID:QGTfRF2u.net 倉木のファンは必死にアンチ活動しないと生きていけないのかよw
299 :7分74秒 :2017/08/07(月) 14:07:57.96 ID:FrGitNyC.net 記念日パピコ
300 :7分74秒 :2017/09/02(土) 22:33:11.47 ID:j0Ar1QBf.net First Loveがやっぱり一番好き
301 :7分74秒 :2017/12/08(金) 14:09:44.39 ID:JbE8f5aV.net 2017.12.8 05:03 宇多田ヒカル、来年に12年ぶりツアー!8日から新曲配信 シンガー・ソングライター、宇多田ヒカル(34)が、来年に12年ぶりとなる全国ツアーを行うことが7日、公式サイトで発表された。 全国ツアーは2006年以来、単独公演は10年12月以来約8年ぶりだ。 宇多田は10年末から「人間活動」と称して音楽活動を無期限休止。14年にはイタリア人男性と結婚し、15年に長男(2)を出産した後、昨年4月期のNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」の主題歌「花束を君に」で活動を再開した。単独公演はママになって初めてだ。 現在は居住するロンドンで1年ぶり7枚目のオリジナルアルバム(タイトル未定)の制作のまっただ中。アルバムの発売日やツアー日程など詳細は後日に発表されるが、新アルバムを引っさげたツアーになるだけに新たな姿が期待できそうだ。
302 :インドネシアの通貨 :2017/12/08(金) 20:21:45.23 ID:SKxQRN36.net エブリであなたメイキングやりました
303 :7分74秒 :2017/12/26(火) 01:03:10.65 ID:oWURAXsE.net いい曲たくさんあるよな
304 :7分74秒 :2018/01/10(水) 02:17:29.64 ID:0SJnSXXK.net >>300 自分も
305 :7分74秒 :2018/01/21(日) 10:52:16.71 ID:C3MGM+Nm.net ☆ 私たち日本人の、日本国憲法を改正しましょう。現在、 衆議員と参議院の両院で、改憲議員が3分の2を超えております。 『憲法改正国民投票法』、でググってみてください。国会の発議は すでに可能です。平和は勝ち取るものです。お願い致します。☆☆
306 :7分74秒 :2018/03/26(月) 19:56:10.07 ID:ahgnrTM+.net 0510 名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイWW 7f97-9mdf) 2018/03/26 01:09:38 こんな詐欺師に乗っかるゴミをゴミ箱に入れるんだから慈善事業ですねw ID:y9AhJo0Q0(4/10) 0511 名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ c7d9-U+ra) 2018/03/26 01:09:53 >>499 元人材紹介業の俺だからわかるんだよ お前みたいな世間知らずではわからない 公的な物だとハローワークがあるし、それ以外の民間企業でも仲介手数料を取らない所は沢山ある そういう民間の所は企業からデータベースへの登録料を貰う事で成り立ってる じゃあどの企業もそこに登録すれば良しってなるのが普通だが、所謂ブラック企業は違う 登録料を払って待っている、という受け身では生業にはならない程に風聞が悪い、そんな事を待っていられる程人資源に余裕がなく今すぐ使い捨ての人材が欲しい、等の理由から 「ハローワーク等の受け身の紹介所」ではなく「DODA等の攻め手の紹介所」に登録する バズキャリア・DODAは紹介した時点で報酬を貰って終わる為、行き先が白かろうが黒かろうがどうでもいい 人生に幸あれ、なんて顔で見送るが、とんでもなく悪辣な一期一会でやってるのが人材紹介業だよ 「0から1」と謳って釣るのが人材紹介業の仕事 実際お前みたいな騙されてるとんでもない馬鹿がいるから食っていける 実績がないのにヒカルの言う事信用してるのもアホだし、現実を知らなすぎ 貴重な働き盛りの年齢にブラック企業で使い潰されるのを斡旋するヒカルのどこが、0から1だよw 3 ID:FOmdjlae0(2/4) 0512 名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイW 6387-AXuR) 2018/03/26 01:13:41 >>511 実際これなんだよね、ホント 入社(ヒカルのは入社させてるかどうかも怪しいが)させた時点でその求職者がどうなろうと知ったこっちゃない 頭エンゼルフレンチは過去からこれからもずっと人を金にしか見てない奴なんだわ 慈善事業なんてするわけない ID:DQ+qJwLu0(4/7) 0513 名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ c7d9-U+ra) 2018/03/26 01:17:00 >>502 実際どういう形で抜くのかはわからないけど、今「人材紹介サービス」として存在していて成り立っている会社はどこもそうだよ 毎年取るわけではなく、初年度の見込み年収の1/3を最初に取る形 そもそも企業が普通に新人を取るのに使う金ってなんやかんやで50〜100くらいらしいからね ID:FOmdjlae0(3/4) 0514 名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ d735-WoAt) 2018/03/26 01:18:23 ヒカルはよく高卒で工場しか選択肢が無かった、IT企業なんて無理だったで 工場を底辺でIT企業は一流企業って感じで語ってるけど、一応ヒカルが 就職してた工場って新日鉄の工場だから怪しいIT企業よりいいと思うけどな。 1 ID:6XzOcz8v0(2/
307 :7分74秒 :2018/03/26(月) 20:02:25.85 ID:ahgnrTM+.net 0494 名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ c7d9-U+ra) 2018/03/26 00:09:44 ヒカルがやるバズキャリアってDODAみたいな人材紹介会社と同じつまんねえ物だろうな 大企業にも紹介出来る事を匂わせつつその業種で経験を積む事を勧めて 結局は中小企業に就職させて、年収の3分の1を紹介料として取る商売 ヒカルっていう成り上がりの見本みたいな広告塔のおかげで勘違いした馬鹿が多く集まるだろうし、仕事が決まるとそこでの生活に皆必死で大企業への道なんて忘れる 「経験を積む」事を目的とさせて入社させてるから、離職率も低い 結局の所ヒカルは、人に夢を見させて人生を賭けた他人の投資を横からかすめ取るっていうVALUと同じような事をしようとしてるだけ 3 ID:FOmdjlae0(1/4) 0495 名無しさん@お腹いっぱい。 (ラクッペ MM4b-qMUZ) 2018/03/26 00:19:59 ヒカルさん募金して月一報告するって話 どうなったんですかねえ? またウソですか? 1 ID:Vxv7ZFB6M(1/3) 0496 名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイWW 7f97-9mdf) 2018/03/26 00:20:30 そこら辺は前暴露されてたじゃん 入社式もやらない、1日目からアポ取りさせるようなゴミ企業に押し付けてさ ID:y9AhJo0Q0(1/10) 0497 名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイWW 03e0-6p/C) 2018/03/26 00:31:03 >>495 お前らが見なくなったせいで募金に回す金が確保できなくなったんだよ お前らのせいだわ もっとヒカルの動画みて社会貢献しろ ID:PMMkbL8V0(1/2) 0498 名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイW 6387-AXuR) 2018/03/26 00:36:47 >>494 やってることが人売りなんだよなあ 何が第0新卒だよ、無教養の判断能力ない子供を食い物にしてるだけなのに 原発派遣しておいて福島募金(クリックしただけ)といい、このクソ野郎ほんと痛い目にあってほしい ID:DQ+qJwLu0(1/7) 0499 名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ 3745-fzSc) 2018/03/26 00:45:34 >>494 この手の馬鹿が非常に謎なんやけど? 0から1を生み出してる事になぜ着眼点がいかないのか不思議でしゃあない バズキャリアなきゃ高卒以下は無だからな。起業すりゃ別だけど 返信 1 ID:UcasqyOH0(1/6) 0500 名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイWW 7f97-9mdf) 2018/03/26 00:47:26 高卒以下でも多少はマシなところで働ける コイツが放り込むのは高卒にとってマイナスの世界な 1 ID:y9AhJo0Q0(2/
308 :7分74秒 :2018/03/30(金) 03:40:09.53 ID:GSFEqSUZ.net 整形しまくって歌手デビューしたのを親父に著書でバラされてたけど整形メンテ続けるのも大変だな 『歌姫 倉木麻衣』(ラインブックス刊)より P.189〜以下抜粋 http://static.me.nextmedia.com/images/next-photos/Me/156/640pixfolder/ME156_coverface/1004_3.jpg 私が自分の娘を、一目見た瞬間に「あっ、これはおれの娘だ」とわからなかったのは、理由がある。 この写真は、真衣が中学2年生のときに津田沼の『パルコ』で撮ったものだ。 「ひょっとして、なにかのきっかけで、芸能界のオーディションなんかを受けるとき、 使えるように撮っておこうよ」 そう言って撮った写真だ。真衣のチャームポイントは、両側にある八重歯だ。 ところが、ビデオクリップの中の『倉木麻衣』という歌手は、八重歯も見えない。 目の回りもスッキリと引き締まり、涼しげな目をしていた。 私が知っている、98年10月28日に目の前で、うれしそうに笑っていた娘の顔の表情とはまったく違っていた。わかるはずがない。 99年デビューの倉木 整形ビフォーアフター(14歳→17歳) http://seikeishimasyo.up.n.seesaa.net/seikeishimasyo/image/C1D2CCDAA4DEA4A4A1CAB0B5BDCCA1CB.jpg 15才当時のモー娘オーデション応募写真(右側が倉木) https://stat.ameba.jp/user_images/20100926/01/takoyakipurin/93/90/j/t02200431_0240047010767809385.jpg http://blog-imgs-37.fc2.com/k/i/r/kireimatome/focas.jpg デビュー前の写真は、ブスすぎて整形後の高校写真や小学時代までの写真しか出せない倉木
309 :7分74秒 :2018/04/25(水) 07:46:17.23 ID:4kX+eY5S.net 大会の結果になります。以下になります。 モーグルの北海道広尾郡大樹町大会 1位 竹見小花 タケミコハナ 2位 城之脇名生 シロノワキナオ 3位 田々木貴一朗 タダキキイチロウ 4位 龍末瑛実 タツズエエミ 5位 倉浪暖門 クラナミハルト 6位 新解おはな シンカイオハナ 7位 畳谷海夏 タタミヤウミカ 8位 田耕匠 タコウショウ 9位 城北紀代 シロキタキヨ 10位 辰己野羽良々 タツミノウララ 11位 只浦聖志 タダウラサトシ 12位 倉上夏音 クラウエカオン 13位 鞍井絵広 クライエヒロ 14位 次郎嶋哀 ジロウジマアイ 15位 久米井笑子 クメイエコ 16位 甚岡叶永 ジンオカカナエ 17位 桑岡瑛莉 クワオカアカリ 18位 達橋向日葵 タツハシアオイ 19位 陳岡和水 ジンガオカナゴミ 20位 這禽衣里紗 ハットリエリサ 21位 八家士晃 ハチケシアキ 22位 田篠晴正 タシノハルマサ 23位 橋部奈乃羽 ハシベナノハ 24位 竜山祥一朗 タツヤマショウイチロウ 25位 竹里聖志 タケサトサトシ 26位 羽倉岩乃 ハクライワノ 27位 八窪周太朗 ヤクボシュウタロウ 28位 立塚奈帆美 タチヅカナホミ 29位 橋邉小柚季 ハシベコユキ 30位 長田聖康 ナガタキヨヤス
310 :7分74秒 :2018/04/28(土) 08:55:11.63 ID:kVc5lKNr.net ユニークで個性的な副業情報ドットコム 役に立つかもしれません グーグル検索『金持ちになりたい 鎌野介メソッド』 R9NGD
311 :7分74秒 :2018/05/17(木) 23:27:02.11 ID:Fs0HiiaH.net 初恋楽しみ
312 :7分74秒 :2018/05/18(金) 19:51:56.40 ID:wqKITsSa.net 初恋のジャケ写見て 四季穂思い出したww
313 :7分74秒 :2018/06/17(日) 20:43:29.73 ID:tIttqAlI.net https://i.imgur.com/yJ50hYx.png
314 :7分74秒 :2018/06/27(水) 16:57:37.68 ID:K873fj6b.net 2012年6月23日 4:11 https://twitter.com/utadahikaru/status/216488610780819457 QT @goo_taro25: 素朴な疑問ですが、いま新しい曲とか作ってるのですか? 作曲はゆるゆるとずっとやってるよ。今作ってるのは…パクチーの歌です(*´∪`) ↓ パクチー ぱくぱく パクチー ぱくぱく パクチー ぱくぱく パクチー ぱくぱく ぱくぱく パクチー パクチー ぱくぱく パクチー ぱくぱく パクチー ぱくぱく パクチー ぱくぱく ぱくぱく パクチー
315 :7分74秒 :2018/06/27(水) 22:11:27.15 ID:Kke9mvs+.net とても簡単な嘘みたいに金の生る木を作れる方法 興味がある人はどうぞ 検索してみよう『ネットで稼ぐ方法 モニアレフヌノ』 8IY
316 :7分74秒 :2018/06/28(木) 02:31:08.11 ID:3kg3Hb9E.net 私の中では宇多田は尾崎豊なんだよね。歌詞とか尾崎パクリすぎやん
317 :7分74秒 :2018/06/28(木) 09:45:57.60 ID:5tDkYCH0.net 37 2007年01月05日 23:02 M. F. > 時岡玉枝さま お返事が遅くなって申し訳ありません。 ブーレーズおよび日本でのブーレーズの音楽に関する言論状況についてお持ちのご不満は 主に、少なくとも一般に広く流布しているものに関しては、やや衒学的なレベルの議論が 多く楽譜の実質的内容に踏み込んだものがほとんどない事であると理解しました。 確かに、ある時期以降のブーレーズの著作には、理論的な記述はほとんど見られなく なりますね。ライヴ・エレクトロニクスを用いる3作品は楽譜すら購入不可能ですが、 これは個人的にも大きな不満のひとつです。(なおLa corruption...は1956年ですので、 これ以降というとほとんどすべて、たとえばPenser la musique aujourd'huiなども 含まれてしまうことになりますね。) ただし記憶が正しければ、(私自身見聞きしたわけではありませんが)ブーレーズは '70年代以降も自作に関するレクチャーを時たま行っていたと思います。彼がそれを 文字にするのに必要な(する気があるかどうかは別として)時間を手に入れるのは いつになるでしょう?? 一方で、現今の日本におけるブーレーズに纏わる言説で「質の低いもの」が抱える問題は、 「事実の入念な検討」を欠いていること、それも楽譜の分析を知っているかどうかという レベルではなくて、日本語で参照可能なブーレーズ自身の著述(謂わば"1.5次"資料)に すらあたっていない事に起因すると考えるので、それはある程度書き手の自己責任かな、 と思います。 何れにせよ、ブーレーズを含む20世紀の音楽について、他の芸術との相関において 語り得る、あるいは語られなければならない側面についてすら、一般向けの適切な解説を 見出すことは稀なので(もちろんブーレーズ自身は沢山語っていますが、彼は直接的言及を 避けるタイプですし、単独では理解は容易ではありませんから)自分で補完しなければ ならない現今の状況は、何とも不自由だなと感じています。 あまりお返事にはなっていないかと思いますが、とりあえず。
318 :7分74秒 :2018/06/28(木) 19:58:54.12 ID:UNbQy/XY.net 331 :For 74 seconds for seven minutes: At 01:02:51 of 2008/02/01 (Friday) The ID:uraCrKnu 37 2007 January 05, year 23:02. M. F. > Tamae Tokioka I am sorry for late the answer. Boulez..Japan..Boulez..music..speech..situation..have..dissatisfied..chiefly..at least..in general..wide..circulate..one..for..a little..pedantically..level.. discussion..a lot..score..substantial..content..depress..one..hardly..provide.. thing..understand. Certainly, a theoretical description is hardly seen in Boulez's writing since a certain time. This is personally one of the big dissatisfaction though three works that use the live electronics cannot buy even the score. Peel..after this..say.. almost all..for instance..include. However, if the memory is correct (Though it is not because of looking at me and having heard it), Boulez thinks that it had gone occasionally in the lecture concerning making by oneself since the '70 age. When will obtaining time become unnecessary (Except whether to have a mind to do) though he makes it a character? On the other hand..nowadays..Japan..Boulez..relate..remark..quality..low..one..hold.. problem..fact..deliberate..examination..lack..score..analysis..know..level..Japanese.. reference..Boulez..writing..material..hit..thing..originate..think..writer.. responsibility..think. I feel either by finding an appropriate explanation for general even of the side that can talk when correlating with other arts about the music of the 20th century including Boulez or should talk the situation nowadays that should be supplemented for myself because it is rare (He is type that avoids an immediate reference, and because understanding is not easy alone though there is a Mr. word that Boulez dusts of course) is indescribably inconvenient. For the time being though it is not thought that it becomes an answer so much.
319 :7分74秒 :2018/06/28(木) 22:34:56.73 ID:5tDkYCH0.net 38 2007年01月06日 20:26 時岡玉枝 >M.F.さま 私の発言のような、単にエンピリカル/プラグマティックな物言いで 誤魔化されることは お嫌いなのだろうな、という事は 承知の上で、 敢えて、わたしレヴェルの意見に 真摯にお答えいただきましたことには、 おおげさでなく 心より感謝いたします。 皮肉と受け取らないでいただければ 幸いなのですが… と同時に、やはり M.F.さまですら、 ブーレーズ自身というより、受容・解釈モデルでの問題は大きな障害になっているのだな、 とご教示いただき、反省いたしました。 殊に「事実の入念な検討」に関するご指摘、まことに耳が痛いです。 ひとつだけ、お耳に入れるのも苦しい話題ですが、わたしは『のだめカンタービレ』の ファンと、エマニュエル・パーユやケラスの表層的なファンと、ブーレーズ関係の音楽学が なぜこうも 凄まじく乖離してしまうのか、そこに答えを出せないと、このバナールな 『のだめ』=クラシックファンやBPOマニアレヴェルの 疑問にも、少なくとも ドメスティックレヴェルでは まともに向き合えないような気がしているのです。 (この『のだめ』を、よしんばチェリビダッケやアーノンクールにまでレヴェルアップしても、 状況は変わらない気がします) …もちろん、「それこそ自己責任だ」とおっしゃられるとすれば、まったく異議はございません。 「あまり返事にはなっていない」とおっしゃるのは、無論ご謙遜で、重要な示唆をいただいて おります。 ライヴエレクトロニクスについては、ご承知のように それこそ4Xの時代から、ほとんど (従来のミュジコロジー的観点からは)説明不可能な事態が続いており、「単に修辞的な 説明しかない」という抗議であれば、むしろスペクトル楽派以後の世代に 向けるべきなの かもしれません。その点で、Penser la musique aujourd'hui などはギリギリの選択=投企 なのだということも、ある程度 理解できるつもりでおります。 いずれにもせよ、「ブーレーズがそれ(レクチャー等のEnlightenment… この語が適切で あるかはともかく)を文字にする時間を手に入れられるのはいつになるのか」という問いは、 感傷交じりに、非常に実存的な問題として受け取らせていただきました。 ありがとうございます。
320 :7分74秒 :2018/06/29(金) 07:26:20.44 ID:guLTMHfl.net 38 2007年01月06日 20:26 時岡玉枝 >M.F.さま 私の発言のような、単にエンピリカル/プラグマティックな物言いで 誤魔化されることは お嫌いなのだろうな、という事は 承知の上で、 敢えて、わたしレヴェルの意見に 真摯にお答えいただきましたことには、 おおげさでなく 心より感謝いたします。 皮肉と受け取らないでいただければ 幸いなのですが… と同時に、やはり M.F.さまですら、 ブーレーズ自身というより、受容・解釈モデルでの問題は大きな障害になっているのだな、 とご教示いただき、反省いたしました。 殊に「事実の入念な検討」に関するご指摘、まことに耳が痛いです。 ひとつだけ、お耳に入れるのも苦しい話題ですが、わたしは『のだめカンタービレ』の ファンと、エマニュエル・パーユやケラスの表層的なファンと、ブーレーズ関係の音楽学が なぜこうも 凄まじく乖離してしまうのか、そこに答えを出せないと、このバナールな 『のだめ』=クラシックファンやBPOマニアレヴェルの 疑問にも、少なくとも ドメスティックレヴェルでは まともに向き合えないような気がしているのです。 (この『のだめ』を、よしんばチェリビダッケやアーノンクールにまでレヴェルアップしても、 状況は変わらない気がします) …もちろん、「それこそ自己責任だ」とおっしゃられるとすれば、まったく異議はございません。 「あまり返事にはなっていない」とおっしゃるのは、無論ご謙遜で、重要な示唆をいただいて おります。 ライヴエレクトロニクスについては、ご承知のように それこそ4Xの時代から、ほとんど (従来のミュジコロジー的観点からは)説明不可能な事態が続いており、「単に修辞的な 説明しかない」という抗議であれば、むしろスペクトル楽派以後の世代に 向けるべきなの かもしれません。その点で、Penser la musique aujourd'hui などはギリギリの選択=投企 なのだということも、ある程度 理解できるつもりでおります。 いずれにもせよ、「ブーレーズがそれ(レクチャー等のEnlightenment… この語が適切で あるかはともかく)を文字にする時間を手に入れられるのはいつになるのか」という問いは、 感傷交じりに、非常に実存的な問題として受け取らせていただきました。 ありがとうございます。
321 :7分74秒 :2018/06/29(金) 19:23:19.85 ID:RDlAlj71.net おまいらの口車に乗せられてサントリーホールまで足を運んだおいらが来ましたよ、と。 客席になんだか女子中高生が多かった気がしたのは堤先生のご威光によるものなのか、野平 先生のピアノの弟子筋が大挙して来ていたのか。 前半の野平作品はみんなよく寝ていただけました。俺はピアニストとしての先生の名人芸と 頭髪には全く称賛を惜しまない者だが、残念ながら作曲の方はご縁がなかったらしい。前の 方で盲導犬が大人しく(当然か)聴いて居たが、あやつの評価を訊いてみたく思った。 んなことはいい。ブーレーズだ。 アンサンブルアンポンタンだかなんだかのディスクでかつて聴いた印象とは大分違った。 チャンスオペレーションによるものなのか改訂によるものなのかは不明。どうせ楽譜見たって わからんだろうし。都響はよく頑張っていたと思う。 ただ、アンサンブルインテルミラノだかなんだかの演奏では「ミュルティプル」に入った途端 音楽が水彩色になって鮮やかに集散し出したとの印象があったのだが、あれは録音のマジック だったのかそれとも今回の楽譜が改訂ならぬ改悪だったのか、今いちぱっとしない感じだった。 演奏者が指揮者の左手の数字のサイン(割と順番に出していた気がしたけど)を緊張して見て いたのがわかったが、番号がかわる都度音楽が滞ったように思えたのはどんなもんかね。 ツィンバロンが調子の狂った箏曲のような歌を突然奏でたり様々な色や大きさの粒子を一斉に ぶちまけたりと部分部分でははっとさせられる場面が多いのだが、これを無限に変奏し続ける 意味があるのかは正直疑問に感じた。というか終盤は飽きた。永遠に未完の音楽を創り続ける 俺カコイイというブー先生とはお付き合いしきれんと思った。四の五の言わせずきっちり完成 させる厳しいママンがいたらいいのにと思った。ピエール瀧はふつうの俳優になったら嫌だと 思った。 あと全ステージを通じて鍵盤の前に大井浩明のようなガタイのいい坊っちゃんカットの奏者が いたのであるが、月末に指先を思いっきし酷使するシュトックハウゼンの演奏会を控えている 大井浩明がこんな場所にいるはずがないので目の錯覚だと思った。ちょっとしたお得感。 長くてすまんね。以上。
322 :7分74秒 :2018/06/29(金) 23:56:56.87 ID:SHXeJmqp.net Q:作品の題名のことで、まるでグレゴリオ聖歌か何かを思わせるような題名を数多く採用されているのには ご自身の音楽の中に何かそういった宗教的な内容を含めようとされてのことなのでしょうか。 A:いえ、そういうわけではないのです。西洋クラシックの音楽には典型的なタイトルがあって それぞれある意味を内包したものです。すなわち交響曲とか協奏曲などがそれです。 私も若いときにはソナチネやソナタなどというタイトルを自作に用いていました。 しかし、ある時期からそうした決まりきった意味を内包するタイトルと私の作風が合致しないという風に思い始めました。 たとえば主題を展開していくような音楽ではなく響きの構造を表した音楽を書いたときにはそのタイトルがソナタというのでは意図が十分に伝わらないというようなことです。 レポンとは応対するという意味ですが、そのタイトルがこの作品に私が込めた意味を内包しているということはもちろん、その意味をそれとして限定的なものにしない、 ある程度自由な解釈のできる言葉だということでと、まさしくぴったりの題名だと思っています。
323 :7分74秒 :2018/07/01(日) 08:44:19.24 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
324 :7分74秒 :2018/07/01(日) 08:44:48.40 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
325 :7分74秒 :2018/07/01(日) 08:45:03.58 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
326 :7分74秒 :2018/07/01(日) 08:45:58.04 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
327 :7分74秒 :2018/07/01(日) 08:46:20.94 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
328 :7分74秒 :2018/07/01(日) 08:46:53.05 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
329 :7分74秒 :2018/07/01(日) 08:47:39.63 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
330 :7分74秒 :2018/07/01(日) 08:48:14.27 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
331 :7分74秒 :2018/07/01(日) 08:49:02.58 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
332 :7分74秒 :2018/07/01(日) 08:49:19.76 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
333 :7分74秒 :2018/07/01(日) 08:49:37.13 ID:D8kmBSZi.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
334 :7分74秒 :2018/07/01(日) 08:49:57.63 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
335 :7分74秒 :2018/07/01(日) 08:50:25.21 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
336 :7分74秒 :2018/07/01(日) 08:50:48.08 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
337 :7分74秒 :2018/07/01(日) 08:51:20.17 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
338 :7分74秒 :2018/07/01(日) 08:51:33.48 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
339 :7分74秒 :2018/07/01(日) 08:52:08.38 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
340 :7分74秒 :2018/07/01(日) 08:52:34.43 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
341 :7分74秒 :2018/07/01(日) 08:53:03.35 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
342 :7分74秒 :2018/07/01(日) 08:53:17.59 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
343 :7分74秒 :2018/07/01(日) 08:54:44.72 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
344 :7分74秒 :2018/07/01(日) 08:55:05.68 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
345 :7分74秒 :2018/07/01(日) 08:55:28.33 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
346 :7分74秒 :2018/07/01(日) 08:55:57.38 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
347 :7分74秒 :2018/07/01(日) 08:59:32.47 ID:v92T0TUZ.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
348 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:00:02.24 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
349 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:00:10.25 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
350 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:00:56.40 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
351 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:01:40.29 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
352 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:02:05.79 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
353 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:02:27.39 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
354 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:02:51.24 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
355 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:04:03.97 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
356 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:04:43.90 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
357 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:05:06.43 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
358 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:05:31.26 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
359 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:05:55.10 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
360 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:06:14.93 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
361 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:06:36.89 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
362 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:07:17.37 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
363 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:07:42.13 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
364 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:08:19.64 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
365 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:08:31.67 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
366 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:08:48.80 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
367 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:09:30.34 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
368 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:09:45.84 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
369 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:10:11.26 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
370 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:10:34.58 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
371 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:10:55.86 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
372 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:11:32.43 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
373 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:12:01.07 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
374 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:12:17.47 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
375 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:12:36.10 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
376 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:12:55.63 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
377 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:13:23.40 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
378 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:13:44.60 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
379 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:14:04.10 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
380 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:14:19.47 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
381 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:14:35.29 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
382 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:15:10.07 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
383 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:15:28.05 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
384 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:15:42.84 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
385 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:16:01.08 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
386 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:16:39.32 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
387 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:16:48.69 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
388 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:17:19.30 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
389 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:17:37.27 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
390 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:17:55.92 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
391 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:18:13.62 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
392 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:18:32.20 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
393 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:18:53.87 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
394 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:19:15.70 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
395 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:19:36.22 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
396 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:20:16.50 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
397 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:20:53.10 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
398 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:21:09.83 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
399 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:21:29.42 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
400 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:21:48.99 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
401 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:22:07.24 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
402 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:22:26.97 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
403 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:22:47.32 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
404 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:23:26.14 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
405 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:24:15.47 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
406 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:24:33.39 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
407 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:24:54.30 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
408 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:25:38.14 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
409 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:25:58.35 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
410 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:26:17.33 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
411 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:26:36.28 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
412 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:27:14.24 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
413 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:27:30.51 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
414 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:27:51.96 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
415 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:28:28.09 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
416 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:28:53.95 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
417 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:29:15.50 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
418 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:29:30.79 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
419 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:30:09.70 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
420 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:30:32.11 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
421 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:30:48.68 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
422 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:31:08.55 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
423 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:31:27.98 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
424 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:31:48.24 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
425 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:32:08.63 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
426 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:32:30.79 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
427 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:33:11.29 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
428 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:33:27.77 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
429 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:34:00.43 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
430 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:34:14.87 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
431 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:35:12.58 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
432 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:35:27.76 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
433 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:35:49.49 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
434 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:36:07.96 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
435 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:36:25.20 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
436 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:36:42.71 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
437 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:37:30.14 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
438 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:37:45.26 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
439 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:38:33.72 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
440 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:38:48.20 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
441 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:39:26.19 ID:jqxp6Y3L.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
442 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:39:40.10 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
443 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:39:57.04 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
444 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:40:06.30 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
445 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:40:40.33 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
446 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:40:49.45 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
447 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:41:25.10 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
448 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:41:39.05 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
449 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:42:05.80 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
450 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:42:24.10 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
451 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:42:41.70 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
452 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:43:16.60 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
453 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:43:31.10 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
454 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:43:56.81 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
455 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:44:05.64 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
456 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:44:23.49 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
457 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:44:41.56 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
458 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:45:05.44 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
459 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:45:21.79 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
460 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:45:41.08 ID:REIKbjmd.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
461 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:45:57.70 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
462 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:46:16.38 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
463 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:46:32.64 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
464 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:46:49.33 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
465 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:47:06.58 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
466 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:47:23.88 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
467 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:47:39.91 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
468 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:48:01.49 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
469 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:48:18.26 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
470 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:48:44.76 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
471 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:49:00.97 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
472 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:49:34.86 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
473 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:50:07.38 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
474 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:50:40.21 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
475 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:50:59.24 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
476 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:51:16.89 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
477 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:51:40.59 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
478 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:51:59.38 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
479 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:52:18.67 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
480 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:53:09.75 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
481 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:53:43.45 ID:0MUIj9Mc.net ハァテレビも無エ ラジオも無エ自動車もそれほど走って無エピアノも無エ バーも無エ巡査 毎日ぐーるぐる朝起ぎて 牛連れて 二時間ちょっとの散歩道電話も無エ 瓦斯も無エバスは一日一度来る 俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだハァギターも無エ ステレオ無エ 生まれてこのかた見だごとア無エ喫茶も無エ 集いも無エまったぐ若者ア俺一人婆さんと 爺さんと数珠を握って空拝む 薬屋無エ 映画も無エたまに来るのは紙芝居俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で馬車引くだ ハァディスコも無エ のぞきも無エレーザー・ディスクは何者だ?カラオケはあるけれどかける機械を見だごと無エ新聞も無エ 雑誌も無エたまに来るのは回覧板 信号無エ ある訳無エ俺らの村には電気が無エ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 銀座に山買うだ俺らこんな村いやだ 俺らこんな村いやだ 東京へ出るだ 東京へ出だなら銭コア貯めで 東京で牛飼うだ67 自分:47の素敵な(やわらか銀行)@無断転
482 :7分74秒 :2018/07/01(日) 09:53:53.55 ID:0MUIj9Mc.net デルモア・シュワルツは、『夢の中で責任が始まる』という短篇小説によってアメリカ文学史に燦然と輝いている作家である。 この短篇は、一九八八年に刊行された村上春樹訳編の『and Other Stories とっておきのアメリカ小説12篇』(文藝春秋)の中に、『夢で責任が始まる』という題で収録されている。 訳者の畑中佳樹は次のように書いている。 「たった一発の狙いすました弾丸でたった一つの的を射ぬき、あとは一切余計なことをせずに死んでいった作家――デルモア・シュウォーツを、ぼくはそんな風に感じている。 その一発の弾丸とは、一つの短篇小説である。そのタイトルが、まるで伝説のように、アメリカ小説愛好家の間で囁かれつづけてきた。」 『夢の中で責任が始まる』が長く語り継がれる伝説の作品となった理由のひとつは、たぶん、それが「映画」と「夢」の親密な関わりについて書かれた最初の、そして最高の小説だからだ。 時は、一九〇九年。主人公の「僕」は映画館でスクリーンを見つめている。映っているのは古いサイレント映画で、そこに登場する男女は、若き日の「僕」の父と母だ。 父は母を連れ出して、コニーアイランドへ出かける。浜辺を散歩し、メリーゴーランドに乗り、いちばん高級な店で食事をとる。 そこで父は母にプロポーズする。母はうれしさのあまりすすり泣く。 すると、「僕」は席から立ち上がり、 スクリーンに向かって 「結婚しちゃいけない! まだ間に合う、考え直すんだ、二人とも。いいことなんて何も待ってないぞ。後悔とにくしみと醜聞と、それからおそろしい性格の子供が二人、それだけさ!」と叫ぶ――。 かつて、ジャン・コクトーは、 「映画とは現在進行形の死をとらえた芸術だ」と書いたが、 そんな映画というものの特異さ、そして映画館でスクリーンに魅入っている時の混濁した深層心理、夢想とも妄想ともつかない昏い惑乱状態をこれほど繊細に掬い取った作品はない。 『夢の中で責任が始まる』は、一九三七年に復刊された「パーティザン・レヴュー」の巻頭を飾ったが、当時、二十四歳だったデルモア・シュワルツは、一躍、若手世代の文化英雄となった。 文芸批評家のアルフレッド・ケイジンが「『夢の中で責任が始まる』は、率直で、美しく、忘れられないものだった。 ……〈われわれの経験〉についてその後読むことになったもののなかで、最高の寓話だった」と回想しているのは、そのひとつの例証だ。 私が、デルモア・シュワルツの名前をふたたび強く意識するようになったのは、 マガジンハウスの文芸誌『鳩よ!』の2001年12月号で「坪内祐三 いつも読書中」という特集が組まれ、その中で坪内祐三がデルモア・シュワルツの『スクリーノ』という短篇を翻訳し、 「必敗者シュワルツ」という刺激的なエッセーを寄せていたからである。 この『スクリーノ』も「映画」と「映画館」が主題になっていた。 坪内祐三さんは、その後、2007年に『変死するアメリカ作家たち』を上梓する。 この本は、一九九一年から未来社のPR誌『未来』に断続的に連載された20世紀のアメリカ文学で変死したマイナー作家たちを描いたポルトレがもとになっており、 その巻頭を置かれていたのがデルモア・シュワルツだった。 そのほかにハリー・クロスビー、ナサニェル・ウエスト、ロス・ロックリッジ、ウェルドン・キースというシブい名前が並んでいる。 坪内さんによれば、 当初は、さらにジェイムズ・エイジーとリング・ラードナーのふたりの作家を加えて一冊にまとめる構想があったようで、本来なら最初の彼の著作になるはずであったという。 この頃、神田神保町の北沢書店のバーゲンだったかで、五百円ぐらいで『Selected Essays of Delmore Schwartz』を見つけた。 デルモア・シュワルツの詩作と小説以外の評論、エッセイを集成した大部のハードカバーで、私は、拾い読みしているうちに、 デルモア・シュワルツは、ほぼ同世代のジェイムス・エイジーにどこか似ているなと思った。 ジェイムズ・エイジーは、アメリカが生んだ最高の映画批評家であり、優れた詩人、作家、シナリオライターでもあったが、デルモア・シュワルツと同様、 過度のアルコール中毒と憂鬱症のために、やはり〈変死〉している。 ピューリッツァー賞を獲ったエイジーの唯一の長篇小説『家族の中の死』も自伝的な作品で、父親とチャップリンの映画を見に行った幼少時の場面が印象的に描かれていた。 デルモア・シュワルツも、T・S・エリオット、エズラ・パウンド、W・H・オーデンをめぐる詩論、ヘミングウェイ、フォークナー、ジイドについての作家論などのほかに、 映画評論も手がけている。
483 :7分74秒 :2020/06/06(土) 05:36:05.01 宇多田ヒカルは覚せい剤で近々タイーホされます
484 :7分74秒 :2024/01/31(水) 15:57:13.53 ID:9y6bqxz6S 池田犬作が死亡したわけだがマインドコントロールされてる創価学會員は腐敗まみれ自民公明が次回選挙で大敗して利権を失うまでに 返還請求しないと私腹を肥やすためなら都心まで数珠つなき゛でクソ航空機飛は゛して日本近海の海水温が突出して上昇するほど莫大な 温室効果ガスまき散らして気候変動、魚は捕れない、農産物は壊滅、鳥ウイルスやら蔓延して鶏卵やら食糧価格暴騰、曰本のみならず 世界中で土砂崩れ、洪水、暴風、熱中症にと災害連発させて世界中の住民の生命と財産を強奪して私腹を肥やす世界最悪の殺人テ囗組織 公明党強盗殺人の首魁蓄財3億円超の斉藤鉄夫らテロリストどもに俺も俺もと食い荒らされて10兆円の資産なんてあっという間に消滅するぞ 多額の金を払ってニ束三文の山奥の墓を買ったジジババとか維持管理され続けるなんて甘いこと考えてんし゛ゃねえた゛ろうな さらに多額の管理費とか請求されてこれは金にならないとなればとっとと切り捨て朽ち果て荒れ放題とても墓参りなんて不可能な状態に なるのが目に見えてるが、バ力親が死んだらそんな邪悪な墓には葬らず集団で返還請求しようぜ! (ref.) Тtps://www.сall4.jP/info.php?tyРe=items&id〓I0000062 Τtps://haneda-Рrojеct.jimdofrеe.com/ , ttps://flight-routе.com/ ttps://n-souonhigaisosуoudan.amebaownd.com/
485 :「コロナ・ワクチン」には寄生虫が入っています!!医学知識 :2024/01/31(水) 19:14:30.05 ID:8asJgPRE+ 医学知識 「「コロナ・ワクチン」には「寄生虫」が入っている!!」 「コロナ・ワクチン」には「寄生虫のタマゴ」が入っています」!! くわしい情報はこれをご覧ください!!↓↓https://ameblo.jp/journalist-galaxyunion/entry-127 04198557.html 「コロナ・ワクチン」は絶対に打つな!!」 「キリスト教徒」と「仏教徒」と「大本教」の「信者のみなさん」 「コロナ・ワクチン」を打ってはいけません!! 「黙示録の獣」と「巨大カルト集団」に気をつけろ!! 「犯人」=「ビル・ゲイツ」! 「極悪カルト集団」=「フリーメーソン」!! 「世界統一キリスト教」=「極悪カルト集団」!! 「ヤツらは、コソコソ集まって「話しあい」をしている!!ウワサは真実だ!!」 ニュース速報 ミカエル 医学知識 軍師
486 :7分74秒 :2024/03/12(火) 11:21:41.82 ID:aJbP2hfMZ 腐敗を謳歌してきた自民党が禁忌としてきたことを腐敗の権化安倍晋三があっさり踏み越えて日銀に盛大に金刷らせて 賄賂癒着資本家階級とともに俺も俺もと子孫の税金を食い荒らして前代未聞の1兆圓を超える圧倒的資産格差を完成 今度は消費活性化を名目になぜか相続税引き下げて圧倒的資産格差を末代まで盤石なものにするための税制改正 この悪質な現実すら理解できない無資産階級のお前らは末代まて゛圧倒的優越的地位を濫用されて遺棄罪にも等しい不幸な子を産み落とすわけた゛ なぜか共産党やら野党までもが正式名成り上がり防止格差固定目的税の所得税を引き上げて再分配しろとかアホかバカかと やるなら末代まて゛消費されることのない莫大な資産に切り込む相続税だろうに、前代未聞史上最悪の腐敗の権化安倍晋三がやったことは 地球破壊して騒音まき散らして知的産業に威力業務妨害して壊滅させて消費に値しないポンコツ製品しか生産て゛きなくしただけという現実を 理解することから始めないとな (ref.) ΤΤps://www.call4.jp/info.phР?type=items&id=I0000062 Τtps://haneda-project.jimdofree.com/ , TТps://flight-rouTe.com/ TtPs://n-souonhigaisosуoudan.amebaownd.com/
518 KB
新着レスの表示
掲示板に戻る
全部
前100
次100
最新50
read.cgi ver 2014.07.20.01.SC 2014/07/20 D ★
本文 スレッドタイトル 投稿者